変位とは何か
変位がベクトル概念であることを理解させる。

発問 . 1
教科書。
変位とは何ですか。
意味にアンダーライン。
「物体の位置がどの向きにどれだけ変化したのかを表す量」(教科書には必ず同様の記述がある)
正解。
説明 . 1
図で示します。

説明 . 2
例えば、麓のA地点から山頂のB地点までドライブしたとします。
くねくねした道を進みますね。
発問 . 2
このとき、変位とは、どちらの線ですか。
直線ですか、くねくね線ですか。
指示 . 1
手を挙げます。
直線だと思う人。
くねくね線だと思う人。
正解は直線です。
説明 . 3
始点Aから終点Bに向かう矢印を変位というのです。
発問 . 3
では、くねくね線の方は何というのでしょう。
口々にどうぞ。
様々な答えが出るがほとんど間違い。
待っていると「道のり」という正解が出ることもある。
「経路」という言い方があることも教えておく。
発問 . 4
道のりは、距離x[m]と表すことができます。
では、変位の表し方はどうしますか。
指示 . 2
四人で相談。
意見がまとまったら、発表。
時間は3分です。
生徒から意見が出ることは期待しにくい。
座標平面、3平方の定理の考えが出れば素晴らしいといえる。
説明 . 4
平面座標を使って変位を表せば
点A(xA、yA)から点B(xB、yB)へ向かうベクトルのことです。
だから、
変位AB=(xBーxA、yBーyA)
です。
物理では、このような変化分は変位に限らず⊿(デルタ)で表します。
変位AB= ⊿xAB =(xBーxA、yBーyA)=(⊿x、⊿y)

これは、2次元平面だけでなく、3次元空間でも、1次元直線でも同じことである。
生徒の興味・関心にあわせて丁寧に説明してもよいし、枠内の結論だけ天下り式に与えて終わってもよい。
説明 . 5
物理基礎では、y成分を省略した1次元直線の場合だけを扱います。
指示 . 3
図と枠内の式を写しなさい。