物質量(モル)の指導③
高校化学の難関教材、物質量の指導第3弾。
モル数直線の使い方を指導します。
向山型算数の二重数直線を参考にしました。

向山型算数の二重数直線から着想を得た、
新開発の「モル数直線」を使って、4つの単位変換を公式を用いずに計算できるように工夫した。
化学における基本単位である「物質量」(mol)は、
高校で化学を学ぶ者が混乱しやすい。
それは「個数」「質量」「体積」との4量変換が難しいからである。
一般的には①「物質量」と「個数」の変換公式 物質量=個数 ÷(6×10の23乗)
②「物質量」と「質量」の変換公式 物質量=質量 ÷(モル質量)
③「物質量」と「体積」の変換公式 物質量=体積 ÷(22.4L)
の公式を使うので、どの場合にどの公式を使うのかが分からずに混乱する。
今回、開発した「モル数直線」を用いることで、直感的に計算式を立てることができる。
モル数直線を使って、 「物質量(mol)」、「粒子の数(個)」、「質量(g)」、「体積(L)」 の4つの単位変換を公式を用いずに計算できるように指導する。
モル数直線を使えば、「物質量」「個数」「質量」「体積」の変換が簡単にできます。
問題を読みましょう。はい。
「ヘリウム原子12×10の23乗個の物質量は何molか」
(プリントや板書を使って示しながら)
まず、モル数直線を書きます。
質量は粒子の分子量によって変わりますから、Heの原子量、4gを書き込みます。
次に、2つの量に赤線を引きます。この問題ではどことどこですか?
そう、「12×10の23乗(個)」と「何mol」です。
赤線を引きます。
次に、モル数直線上の二つの量に〇をつけます。量の単位に注目します。
今回は(個)と(mol)ですね。
どこにつけましたか?「粒子数(個)」と「物質量(mol)」ですね。
次に数直線に線を引きます。この場合、基準の右側にひきますか?左側にひきますか?
(指名)「右側です」
「どうしてですか?」 「12×10の23乗は6×10の23乗より大きいからです」
その通り! 問題の値を数直線上に書き込みます。
「何モルか」は分からないので、xmolとします。
数直線を見て、比例式をノートに書きましょう。
(必要であれば、比例式の作り方も説明する)
どうなりましたか?(できている人を指名)
「6×10の23乗:12×10の23乗=1mol:xmol」
同じようにできた人? 素晴らしい!
化学の一番難しいところがもうできてしまいました!
モル数直線を使って、今のような手順でやればどんな問題もあっという間に解けます。
確認のため、読みましょう。
(以下のモル数直線の手順を読ませる)
では、教科書の問題も同じようにやってみましょう。
2020年の高校1年生に、化学基礎の時間に以上のような方法で指導したところ、
非常に好評であった。