(単項式)×(多項式)、(多項式)×(多項式)の筆算
苦手な生徒を対象にした指導法である。(単項式)×(多項式)、(多項式)×(多項式)の両方とも、係数どうし、文字どうしの積を求める。「計算のルール」を知らない生徒は、どちらかの計算を忘れたり、『x+y=xy』のような計算を始めてしまう。対策として、多項式の筆算を用いて手順を確認しながら計算を進める。

1 授業のアウトライン
① 教科書の例示問題1・練習問題1(20分)
② 教科書傍用問題集(5分)
③ 例示問題2・練習問題2(20分)
④ 教科書傍用問題集(5分)
2 教科書の例示問題1・練習問題1はこうする
教科書22ページは、(単項式)×(多項式)が答えることができればよい。
以下の指導法は「3x+2」を「5x」や「6x」としてしまう生徒に有効と考える。
教科書22ページ。例13の(1)を読みます。
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ノートに式をかきなさい。この問題は筆算で解きます。
同じようにかきます。(筆算の式をかく)
初めは何×何ですか。(3x×(-4)です)
この発問が通れば、この筆算の方法でほぼ解ける。
しかし、通らない場合もある。ここからは特に苦手な生徒に向けた指示・発問である。
<解き方>
①省略されている1を探す、②右から順にかけていく
初めは3x×(-4)です。指で3xと(-4)をなぞります。
xはいくつありますか。(1つです)xとかきなさい。
次は3×(-4) です。(-12です)xの前に、-12とかきなさい。
初めは3x×(-4)です。指で3xと(-4)をなぞります。
xはいくつありますか。(1つです)xとかきなさい。
次は3×(-4) です。(-12です)xの前に、-12とかきなさい。
次は3x×2xです。指で3xと2xをなぞります。
xはいくつありますか。(2つです)x^2とかきなさい。
次は3×2です。(6です)x^2の前に、6とかきなさい。
(2)を読みます。ノートに式をかきなさい。
1が省略されているところがあります。どこですか。(x^2の前です)1とかきなさい。
あとは(1)と同じように解くことができる。
23ページも同様である。
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3 学力差の対応
筆算すらままならない生徒も想定できる。しかし、クラス全員ができないことは経験上考えにくい。そこで、問15と16の解答のみを書いたプリントを渡し、①自分でできる生徒は解答を見ながら解かせる、②苦手な生徒は上のような小規模人数の授業を行い、学力差に対応する。
小規模人数の授業ノートも同じようにかかせるが、教師の丸付けの仕方を変える。

正解しているすべて項に○をつける。間違えている項は×をつける。その横に訂正を加えさせる。