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特性方程式を用いた漸化式

特性方程式を用いた漸化式は、生徒は教科書を一読しても分からないかもしれない。原理を簡単におさえつつ、解き方も原理に基づいた指導法を紹介する。

a_{n+1}=pa_n+q の漸化式の解説を紹介する。「等比数列にする理由」と「その理由に沿った解法」を中心である。
漸化式の原理は『「漸化式」の基礎・基本』、特性方程式の解説は『「漸化式」の基礎・基本』に載せた。

教科書には文字式の漸化式が載っているが、生徒には具体的な数値がある式の方が理解がしやすい。

(1)導入

漸化式a_{n+1}=3a_n-4は等差数列でも、等比数列でもありません。

発問 . 1

-4を手で隠して)-4がなければ何数列ですか。(等比数列です)

3を手で隠して)3がなければ何数列ですか。(等差数列です)

説明 . 1

両方入っているので、型どおりの解き方ではありません。

しかし、仮に-4がなくなったら解くことができます。

(2)原理をかかせる

(1)の数列が、教科書32ページにかかれている。
冒頭から8行目まで読ませる。

さらに詳しく知りたい方は以下のコンテンツをご覧ください。

指示 . 1

数列を写します。(1段目、3, 5, 11, \cdotsを写させる)

2を引くと等比数列になります。(2段目、-2↓を写させる)

2を引くことで、初項1、公比3の等比数列になります。(3段目、1, 3, 9, \cdotsを写させる)

(3)どうしたら「2を引く」ことに気付けるか

説明 . 2

手順は3つあります。①~③の手順で見つけることができます。

a_n-α=b_n, a_{n+1}-α=b_{n+1}とおく

最終型はb_{n+1}=3b_nになります。そのためにa_n-α=b_n, a_{n+1}-α=b_{n+1}とおきます。

②代入して、整理する

必要があれば、b_n+α=a_n, b_{n+1}+α=a_{n+1}を示す。

αを求める

説明 . 3

α=3α-4であれば、α3α-4が消えます。

1回の授業で習得できないかもしれないので、その際は別の説明を用意しておくとよい。

(4)演習の授業

(問題)
漸化式 a_{n+1}=4a_n-3b_{n+1}=4b_n で表されることを確かめよう。

指示 . 2

①初めに何をしますか。(a_n-α=b_n, a_{n+1}-α=b_{n+1}とおきます)

②次に何をしますか。(代入して、整理します)

③最後に何をしますか。(αを求めます)

実際にα=1を代入して、b_{n+1}=4b_nになるかを確かめるとよい。