「底の変換公式」の基礎・基本
数学が苦手な生徒に対する指導案である。原理を教科書で確認した後、暗唱プリントで公式を音声としても入力する。教科書の例題は、基礎・基本と応用が一緒に載っているので、それらを分けて指導するだけでも理解度が違ってくる。

1 授業のアウトライン
① 教科書の例示問題1・練習問題1(15分)
➁ 例示問題2・練習問題2(15分)
➂ 教科書傍用問題集(5分)
2 教科書の例示問題1・練習問題1はこう授業する
簡単に底の変換公式の原理を解説する。
\log _2 6=x とおくと 6=2^x
2を6にするには、 x 乗する。
すなわち \quad 2^x=6
両辺について 10 と底とする対数を考えると \log _{10} 2^x=\log _{10}6
x \log _{10} 2=\log _{10}6
よって
x=\frac{\log _{10} 6}{\log _{10} 2}
したがって
\log _2 6=\frac{\log _{10} 6}{\log _{10} 2}
教科書125ページ。(まとめまで読ませる)
教科書の\log_2 6=x下に『2を6にするには、x乗する』とかきなさい。
今読んだところをノートに写します。
まとめを写しなさい。
写したら暗記プリントのように読ませる。(新しい底で、分数に分解)
例5は2つの問題に分けることができる。2つ同時に扱うと混乱するので、例5(1)の後で、問14(1), (2)。例5(2)の後で、問14(3), (4)を解かせるとよい。
例5(1)をよみます。(\log_9 27)
27は何の3乗ですか。(3です)
9は何の2乗ですか。(3です)
3が共通しているので、底は3になります。
新しい底で、かき換えなさい。
\left(\log_9 27=\frac{\log_3 27}{\log_3 9}です\right)
分子を簡単にしなさい。(\log_3 27=\log_3 3^3=3\log_3 3=3です)
分母を簡単にしなさい。(\log_3 9=\log_3 3^2=2\log_3 3=2です)
答えをかきなさい。\left(\frac{3}{2}です\right)
\log_9 27=\frac{\log_3 27}{\log_3 9}=\frac{\log_3 3^3}{\log_3 3^2}=\frac{3\log_3 3}{2\log_3 3}=\frac{3}{2}
例5(2)をよみます。(\log_2 40-2\log_4 5)
底を小さいほうにそろえます。\left(\log_2 40-2×\frac{\log_2 5}{\log_2 4}\right)
教科書の式に1行足します。\left(\log_2 40-2×\frac{\log_2 5}{\log_2 2^2}\right)
残りを計算しなさい。
\begin{eqnarray} \log_2 40-2\log_4 5&=&\log_2 40-2×\frac{\log_2 5}{\log_2 4}\\ &=&\log_2 40-2×\frac{\log_2 5}{\log_2 2^2}\\ &=&\log_2 40-2×\frac{\log_2 5}{2\log_2 2}\\ &=&\log_2 40-\log_2 5\\ &=&\log_2 \frac{40}{5}\\ &=&\log_2 8\\ &=&\log_2 2^3\\ &=&3\log_2 2\\ &=&3\\ \end{eqnarray}