「二項分布」の基礎・基本
数学Aで反復試行を履修しているので、その復習から始める。その中で、2つのことができればよい。①式が文章として変換でき、B(n, p)の形でかける、②表をかいて期待値(平均)まで求めることができる。②から分散と標準偏差につなげるように授業を運ぶ。

1 授業のアウトライン
① 教科書の例示問題1・練習問題1(20分)
② 例示問題2・練習問題2(20分)
③ 教科書傍用問題集(10分)
2 教科書の例示問題1・練習問題1はこう授業する
数学Aで反復試行を履修しているので、教科書p90-91は復習になる。2つのことができればよい。①式が文章として変換でき、B(n, p)の形でかける、②期待値(平均)まで求めることができる。
教科書90ページ。(冒頭から4行目まで読ませる)

『1個のさいころを3回投げるとき、1の目が2回だけ出る確率』とかいてあります。組合せの\mathrm{C}を使ってかきなさい。
答えは教科書にかいてある。
\mathrm{_3C_2} \left(\frac{1}{6} \right)^2 \left(\frac{5}{6} \right)^1 とかけました。これはどんな確率ですか。(1個のさいころを3回投げるとき、1の目が2回だけ出る確率です)
1回のやりとりで難しそうなら、何度も繰り返したほうがよい。または、教科書を見させてもよい。
第2問。『1個のさいころを3回投げるとき、1の目が1回だけ出る確率』を、\mathrm{C}を使ってかきなさい。
\mathrm{_3C_2} \left(\frac{1}{6} \right)^1 \left(\frac{5}{6} \right)^2 とかけました。これはどんな確率ですか。(1個のさいころを3回投げるとき、1の目が1回だけ出る確率です)
第3問。『1個のさいころを n 回投げるとき、1の目が r 回だけ出る確率』を、\mathrm{C}を使ってかきなさい。
_n\mathrm{C}_r \left(\frac{1}{6} \right)^n \left(\frac{5}{6} \right)^{n-r} とかけました。これはどんな確率ですか。(1個のさいころを n 回投げるとき、1の目が r 回だけ出る確率です)
教科書90ページの太字を探します。(23行目以降を読ませる)
まとめをかきます。(上のノートの赤字の部分)
B(n, p)のnは何を表しますか。(試行の回数です)
B(n, p)のpは何を表しますか。(事象の確率です)
上の(1)はB \left(3, \frac{1}{6} \right)とかけます。(2)は何とかけますか。\left(B \left(3, \frac{1}{6} \right)です\right)
(3)は何とかけますか。\left(B \left(n, \frac{1}{6} \right)です\right)
例8と問11も同様に解ける。
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例9を読みます。\left(B \left(4, \frac{1}{3} \right)まで確認する\right)
Xは何種類ありますか。(5種類です)P(X=0)からP(X=4)まで求めなさい。
荒っぽい指示だが、式と答えはすべて教科書にかいてある。
表をかきます。
の表.png)
縦にかく。表が、式のP(X=0)からP(X=4)までかいた方向となっている。
表を横に1列足します。平均(期待値)を求めなさい。
問12も同様に解かせる。

3 例示問題2・練習問題2はこう授業する
このページの目標は、平均、分散、標準偏差を求めることである。前半部分の導出は、極力シンプルに扱う。
教科書92ページ。冒頭から読みます。(5行目まで読ませる)

右に表があります。縦書きでかきなさい。
分散を求めるために、X^2を求めます。(緑の0, 1, 4, 9のようにかかせる)
E(X^2)を求めます。(表をもう1列増やす)
早くできた生徒には➀答えを言わせる、②E(X^2)を使った分散の式を探させる(88ページにある)。
分散と標準偏差を求めなさい。
これも教科書通りである。
E(X)とV(X)の別の求め方を、教科書から探しなさい。

(ⅰ) (平均)E(X)=np
(ⅱ)(分散)V(X)=np(1-p)
(ⅲ)(標準偏差)σ=\sqrt{np(1-p)}
その後の問題は、例10は以下の発問で授業を組み立てる。これら発問は単元通して何度も出てくる。
(ⅰ) (平均)は何ですか。\left(E(X)=n×p=9×\frac{1}{3}=3です\right)
(ⅱ)(分散)は何ですか。\left(V(X)=n×p×(1-p)=9×\frac{1}{3}×\frac{2}{3}=2です\right)
(ⅲ)(標準偏差)は何ですか。(σ(X)=\sqrt{2}です) 分散に√をつけます。


例題5はB(n, p)から求めさせる問題である。この問題はこの時間で習ったことで十分解けるので、「解きなさい」で十分である。
