VIEW: 183

「二項分布」の基礎・基本

数学Aで反復試行を履修しているので、その復習から始める。その中で、2つのことができればよい。①式が文章として変換でき、B(n, p)の形でかける、②表をかいて期待値(平均)まで求めることができる。②から分散と標準偏差につなげるように授業を運ぶ。

1 授業のアウトライン

① 教科書の例示問題1・練習問題1(20分)
② 例示問題2・練習問題2(20分)
③ 教科書傍用問題集(10分)

2 教科書の例示問題1・練習問題1はこう授業する

数学Aで反復試行を履修しているので、教科書p90-91は復習になる。2つのことができればよい。①式が文章として変換でき、B(n, p)の形でかける、②期待値(平均)まで求めることができる。

指示 . 1

教科書90ページ。(冒頭から4行目まで読ませる)

指示 . 2

『1個のさいころを3回投げるとき、1の目が2回だけ出る確率』とかいてあります。組合せの\mathrm{C}を使ってかきなさい。

答えは教科書にかいてある。

発問 . 1

\mathrm{_3C_2} \left(\frac{1}{6} \right)^2 \left(\frac{5}{6} \right)^1 とかけました。これはどんな確率ですか。(1個のさいころを3回投げるとき、1の目が2回だけ出る確率です)

1回のやりとりで難しそうなら、何度も繰り返したほうがよい。または、教科書を見させてもよい。

指示 . 3

第2問。『1個のさいころを3回投げるとき、1の目が1回だけ出る確率』を、\mathrm{C}を使ってかきなさい。

発問 . 2

\mathrm{_3C_2} \left(\frac{1}{6} \right)^1 \left(\frac{5}{6} \right)^2 とかけました。これはどんな確率ですか。(1個のさいころを3回投げるとき、1の目が1回だけ出る確率です)

指示 . 4

第3問。『1個のさいころを n 回投げるとき、1の目が r 回だけ出る確率』を、\mathrm{C}を使ってかきなさい。

発問 . 3

_n\mathrm{C}_r \left(\frac{1}{6} \right)^n \left(\frac{5}{6} \right)^{n-r} とかけました。これはどんな確率ですか。(1個のさいころを n 回投げるとき、1の目が r 回だけ出る確率です)

指示 . 5

教科書90ページの太字を探します。(23行目以降を読ませる)

指示 . 6

まとめをかきます。(上のノートの赤字の部分)

発問 . 4

B(n, p)nは何を表しますか。(試行の回数です)
B(n, p)pは何を表しますか。(事象の確率です)

指示 . 7

上の(1)はB \left(3, \frac{1}{6} \right)とかけます。(2)は何とかけますか。\left(B \left(3, \frac{1}{6} \right)です\right)

指示 . 8

(3)は何とかけますか。\left(B \left(n, \frac{1}{6} \right)です\right)

例8と問11も同様に解ける。

指示 . 9

例9を読みます。\left(B \left(4, \frac{1}{3} \right)まで確認する\right)

指示 . 10

Xは何種類ありますか。(5種類です)P(X=0)からP(X=4)まで求めなさい。

荒っぽい指示だが、式と答えはすべて教科書にかいてある。

指示 . 11

表をかきます。

縦にかく。表が、式のP(X=0)からP(X=4)までかいた方向となっている。

指示 . 12

表を横に1列足します。平均(期待値)を求めなさい。

問12も同様に解かせる。

3 例示問題2・練習問題2はこう授業する

このページの目標は、平均、分散、標準偏差を求めることである。前半部分の導出は、極力シンプルに扱う。

指示 . 13

教科書92ページ。冒頭から読みます。(5行目まで読ませる)

指示 . 14

右に表があります。縦書きでかきなさい。

指示 . 15

分散を求めるために、X^2を求めます。(緑の0, 1, 4, 9のようにかかせる)

指示 . 16

E(X^2)を求めます。(表をもう1列増やす)

早くできた生徒には➀答えを言わせる、②E(X^2)を使った分散の式を探させる(88ページにある)。

指示 . 17

分散と標準偏差を求めなさい。

これも教科書通りである。

指示 . 18

E(X)V(X)の別の求め方を、教科書から探しなさい。

(ⅰ) (平均)E(X)=np
(ⅱ)(分散)V(X)=np(1-p)
(ⅲ)(標準偏差)σ=\sqrt{np(1-p)}

その後の問題は、例10は以下の発問で授業を組み立てる。これら発問は単元通して何度も出てくる。

発問 . 5

(ⅰ) (平均)は何ですか。\left(E(X)=n×p=9×\frac{1}{3}=3です\right)

(ⅱ)(分散)は何ですか。\left(V(X)=n×p×(1-p)=9×\frac{1}{3}×\frac{2}{3}=2です\right)

(ⅲ)(標準偏差)は何ですか。(σ(X)=\sqrt{2}です) 分散に√をつけます。

例題5はB(n, p)から求めさせる問題である。この問題はこの時間で習ったことで十分解けるので、「解きなさい」で十分である。