「仁和寺にある法師」で討論(2013)
光村中2国語。「仁和寺にある法師」で、法師の失敗の原因を、討論を通して検討する授業。平成25年度(実際におこなった授業を修正した授業構想。)(TOSS福井推薦)

1 音読・一字読解
追い読み、交替読み、一斉読み、リレー読みなどで何度も音読する。
ノートに①~⑩まで番号を書きなさい。
問題を出しますから、答えを書きなさい。
①主人公は誰ですか。8字で書きなさい。(仁和寺にある法師)
②どこに行ったことがなかったのですか。3字で書きなさい。(石清水)
③そのことをどう思っていたのですか。3字で抜き出しなさい。(心うく)
④石清水には何人で行ったのですか。(一人)
⑤行った時の交通手段は何ですか。(徒歩)
⑥どこを参拝したのですか。6字で書きなさい。(極楽寺・高良)
⑦仁和寺に帰ってから、そのことを誰に話したのですか。5字で書きなさい。(かたへの人)
⑧見に行った感想は、聞いていたうわさとくらべて、良かったのですか、悪かったのですか。(良かった)
⑨法師が行った時に不思議に思ったことがあります。それは何ですか。(参拝者がみんな山に登っていくこと)
⑩法師は山に登ったのですか、登らなかったのですか。(登らなかった)
P145の下の地図を見なさい。
法師が参拝した場所に丸をつけなさい。(極楽寺と高良神社の2ヶ所)
石清水はどこにありますか。(山の上)
法師は、山のふもとにある極楽寺と高良神社をお参りして、それが石清水八幡宮だと思い込んで、山の上にある本物の石清水には行かなかったのです。
作者兼好法師と『徒然草』について、教科書の説明を読み、板書で簡単にまとめる。
2 討論
本文を何度か音読する。
法師はどんな失敗をしたのですか。ノートに書きなさい。
・岩清水に行ったが、極楽寺・高良だけを参拝して、石清水を参らずに帰ってきたという失敗。
どうすれば、失敗しなかったのですか。ノートに書きなさい。
答えは2種類に分かれる。
A 石清水のことをよく知っている人(行ったことがある人)と一緒にいけば失敗しなかった。
B 山に登っていく人に、なぜ登るのか聞いてみれば失敗しなかった。
Aを「行く前の失敗」、Bを「行った先での失敗」とします。
作者の兼好法師は、どちらの失敗を強調したかったのだと考えられますか。
A派
・「ただ一人」とあり、一人で行ったことを強調しているから。
・「かばかりと心得て」とあるので、一人しかいなかったからそう思い込んでしまったことを強調しているから。
B派
・Aを強調したいのなら後半の話は必要ないから。
・行った先でちょっと人に聞けば良かったのに、そうしなかった法師の行動を強調しているから。
この話を通して、作者はどんなことを伝えたかったのですか。ノートに書きなさい。
・自分が知らないことをする時には、よく知っている人に聞くと失敗しない。
最後の一文、「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」というのが、兼好法師が伝えたかったメッセージです。
「少しのことでも、その道に通じている先導者がいてほしいものだ。」という意味です。
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