アボガドロ数の指導
説明すればするほど分からなくなる典型的単元です。模擬授業を受けた大人が「なるほど」と反応しました。高校生にもスーッと伝わります。
原実践:佐々木基 氏 (代理登録)

水という物質は、水素原子二つと酸素原子一つからできることがわかっています。
これを「H2O」と表します。
(以下のイラスト図を提示)

本物の水分子は小さくて目に見ることができません。

分子が集まると、様子が変わります。
H2O(小さな点)が100個集まりました。拡大します。

確かにH2O分子が100個集まっています。

H2O(小さな点)が更に集まります。10,000個です。
同じ倍率で拡大すると、黒板からはみ出してしまいます。

分子の数が多くなると、便利なことがあります。分子の粒粒を書かなくても、升を書いて、分子の数が表現できるのです。
分子の数がさらに多くなって、ある数になったときもっと便利なことに気づきました。分子量と質量が同じ数字になったのです。

この数のまとまりのことを1モルといいます。
何個かというと、6×10^23個です。

ノートに書きます。(以下を板書)
6×10^23 → アボガドロ数
<利点>粒子が6×10^23個ある時、その粒子の質量は、原子量[g]、分子量[g]になる
留意点
生徒は拍子抜けするほど素直に話を聞いている。もし手応えが感じられないならば、次のような対応で念を押す。
【対応1】①お握りをむすぶ動作を見せる。②「数がたくさん集まりました」③「このまとまりを1モルといいます」
→頷く生徒は多い。
【対応2】①1円玉がたくさん集まりました。②ひとかたまり、1万枚。③このひとかたまりを1万円札1枚にまとめます。
→1円玉=分子。1万円札=1モルのアナロジー。実際に生徒に説明したことはない。
この文は意味がわかりにくい。練習問題をやってみます。
写しなさい。
元素記号 原子量 粒子の個数 質量
H 1 6×10^23個 1g
C 12 6×10^23個 ?g
質量は何gですか。黙って書きなさい。
答えは12gである。
T:「出来た人?」挙手をさせる。
T:「みんなで、さん、はい」S:「12g」
T:「よし、合っていたら赤丸」
(H2O、NaCl を書き加える)質量を求めなさい。出来たら手をあげなさい。
「分子量・式量の求め方は昨日やりました」
挙手した生徒の名前を呼んで、答えを確認する。
H2O=18、NaCl=58.5、である。
写しなさい
元素記号 原子量 粒子の個数 質量
H 1 6×10^23個 1g
C 12 6×10^23個 12g
H2O 18 6×10^23個 18g
NaCl 58.5 6×10^23個 58.5g
↓
1mol
1molは何個ですか。
6×10^23個のことをなんと言いますか。
1molは6×10^23個である。
6×10^23個は1molである。アボガドロ数と答えてもよい。
以前は、1ダースなどを使って説明していた。生徒は常に混乱していた。この説明では、混乱はまったく起こらない。拍子抜けするほどスッと受け取っている。
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