うそ作文「夏休みの思い出」
作文の大嫌いな子が「先生、こういうのならまた書きたい!」と言ったうそ作文。
「夏休みの思い出」を夏休み「前」に書くのがポイント。(福島ML推薦)

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作文の超苦手な子が喜んで書いた
「夏休みの思い出」作文
作文が大嫌いな子が「先生、こういうのならまた書きたい!」と言ったうそ作文。
TOSSアンバランス福島・佐藤道拓氏の「ゴールデンウィークのうそつき作文」を参考にして実践した。
絶対に守らなければならないことがある。それは必ず夏休み前に書くことである。
これから作文を書きます。先生と同じように書きなさい。
「えーっ!」(いやそうな声) でもひるまず、原稿用紙を配る。余計なことは一切言わない。
夏休みの思い出
佐藤 純子
今年の夏休みは、とても楽しかった。それは次のようなことがあったからだ。
ここまで書いたあたりで、数人が「えっ??」「おかしい。」「なんで『楽しかった。』なの?」とつぶやき始める。
これから夏休みの思い出の作文を書きます。
子どもたちは???という顔をしている。
うそつき作文です。読んだ人が本当の「夏休みの思い出」だと思うように書くのです。
「なあんだー。」と安心したような表情になる。
そのためにはいくつかポイントがあります。
一つは会話文を入れることです。会話を入れると本当らしくなります。
もう一つは、具体的な場所や人を登場させることです。自分の行きたいところや自分の友達、親せきなどを登場させるとよいでしょう。
「例えば」ということで、教師が短いうそつき作文を書いて読んでやるとよい。例えば・・・
今年の夏休みはとても楽しかった。それは次のようなことがあったからだ。
水中メガネをつけて海にもぐった。青くて小さな魚のむれが私を出迎えてくれた。その数、100、いや200はいるだろうか。私はバッグからソーセージを取り出した。細かくつぶして水中にばらまいた。すると、その魚たちがいっせいにこちらにむかってきた。私の手の回りに100匹以上の魚がむらがっているのだ。
「うわあ、すごい!こんなにたくさん。」
水の中なので声は出せないが、大きな声でさけびたい気持ちだった。・・・・
「ねっ?本当みたいでしょ?」
では始めます。用紙は1枚です。もっと書きたい人もいるでしょうが、1枚です。始め。
1枚に限定することがポイントである。1枚だからこそ、苦手な子も喜んで書くのである。
不思議なことに「1枚だけ」と限定すると、「先生、もっと書いちゃだめですか?」という子が多くなる。
そのときは、「うーん・・・・どうしようかなあ・・・。本当はだめなんだけど、特別だよ。」と言う。
すると、「やったあ!!」と言って、席に戻っていく。
書き終えた子が出たら・・・。
Mさんが出来上がったそうです。早いですねえ!では、先生が読みます。Mさんの作文を聞いて、いいなあと思ったところがあったら、どんどんまねしていいんですよ。ねえ、Mさん。
読まれる子は恥ずかしそうにしているが、実はうれしそうである。
友達の作文を読んでやることで、書けないでいる子へのヒントになる。
いいですねえ。会話がすごく生き生きしているね。だから本当みたいなんだね。
読み終えたら短く力強くほめる。長々と説明しない。ほめることで、まだ書いている子へのかくれ指示になっている。
終わった子には、本を読んでいるなどの指示を出しておく。それでも、友達の作文が読み上げられると、楽しそうに聞いている。
一生懸命書いているが、時間内に終わらない子もいる。
書くのをやめなさい。残念ですが、時間になってしまったので、まだ書き終わらない子はおうちで書いていらしゃい。明日の朝、読んであげます。みなさん、楽しみにしていてね。
うそつき作文といっても、書こうと思うと、子どもは、自分のこれまでの経験をもとに書くことになる。
ゆえに、生活作文より、より生活作文らしくなる。
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