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沖ノ鳥島の授業

沖ノ鳥島をなぜ守る必要があるのかを問います。子供から多様な考えが引き出せ、討論も可能です。(TOSS作州教育サークル推薦) No.4283934 http://blog.goo.ne.jp/tanimoto1105
原実践:谷元忍先生  コンテンツ作成:福原正教

5年 社会科 国土
日本の最南端『沖ノ鳥島』
なぜ、沖ノ鳥島を守るのかという授業である。画像はグーグル等の画像検索で「沖ノ鳥島」「沖の鳥島」と入力すれば、入手できる。

指示 . 1

日本の東西南北の端を、地図帳で探しましょう。
見つけたら、赤鉛筆で印をつけなさい。

東・・・南鳥島    西・・・与那国島
南・・・沖の鳥島   北・・・択捉島

地図帳で位置が確認できたら、今度は教科書や資料集の写真でどんな島かを確認した。
 その時、健二君が、「沖ノ鳥島ちっちゃー。」とつぶやく。社会科で資料を見たとき、このようなつぶやきがとても大切である。すかさずこのつぶやきを取り上げた。

発問 . 1

沖ノ鳥島は小さいですね。どのくらいの広さでしょうか。次の中から選びなさい。
 ①グランドくらい。 ②教室くらい。  ③机くらい。

③を言った時、教室は「えー。」という声に包まれまれた。そんなわけないという感じであった。
①→15人 ②→12人 ③→0人

私が「今なら変えてもいいよ。」と言うと、
ほとんどの子が『その手に乗るか!』という表情だったが、たった一人、加奈子さんが③に意見を変えた。
 予想を確認し、沖ノ鳥島の画像を提示した。波に打たれる島に旗が1本立てられている写真である。小さいことが一目で分かり、その広さはだいたい机ぐらいであると告げた。

説明 . 1

沖の鳥島は、高さ1m弱の岩が2つあるだけです。人が暮らすどころか、高い波がくるとかくれてしまいます。そして、強い波にさらされ、ドンドン小さくなっていました。そこで、この島(岩)を守るため、周りをコンクリートでかため、守っています。
総工費600億円、年間維持費2億円です。(工事中の写真を提示)

発問 . 2

こんなちっぽけな島(岩)、なくなってもいいんじゃない?なぜ日本は、こんなちっぽけな島を守るためにこんなにお金をかけるんですか。

児童の予想

◎昔使っていた物や化石などがあって、大切にしないといけないから。明子
◎島の中の王様だから。由紀子
◎小さいけど、日本の一部分だから守る必要がある。祐二
◎世界に一つしかないとても珍しい島だから。真奈
◎この島にしかない栄養があるから。晃男
◎沖ノ鳥島にしかない岩だから。洋介
◎天然記念物だから。浩二
◎島があんなに小さくなったのは、大きかったのがだんだん小さくなったから。それはギネ ス記録だから守る。健太
◎島の守り神。または海のお守りだから。祐輔
◎なくなってしまったら、他の国の領土のになるかもしれないから。亮太
◎昔は日本列島につながっていたのが、離れて沈没しそうになった。日本が狭くなると困る から。または、貴重なサンゴでできている島だから。加奈子
◎神様みたいな役割があるから。または、日本を広くするため。剛
◎珍しい生き物がいるから。真一
◎岩の中に、ここにしかいない生き物がいるから。良子

最後に『排他的経済水域』について図を提示しながら簡単に説明して授業を終えた。

この島があるおかげで、半径200海里(約170km)の海域で、日本は自由に漁業
ができるのです。また、海底には莫大な天然ガスが眠っていると言われています。

沖ノ鳥島という名を少しは覚えてくれたかなと思う。

※児童の名前は全て仮名

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