【向山洋一Q&A語録】行動が遅い子への対応
福島で15年間開催されてきた「向山洋一Q&Aエキサイティング講座」から、QAのエッセンスを抽出した。向山氏の教育思想。
発問 . 1
Q:行動が遅く、周りの子についていけない子がいます。どのように対応すればいいでしょうか。
本当の個性を伸ばしてくれるような、そういう素質がきっとおありでしょうから。そちらをおやりなさい。
私の教え子で、もう二十年前になりますかね。大河原香。ゆっくりでノロマな子がいました。
オーストラリアから転校してきましてね。どのくらいゆっくりかといいますと、テストをやりますと、みんな同じような時間、半分しかやりません。
ゆっくりだから。こちら側手が回らない。
でもとても人柄がよくかわいい顔してるんです。お母さんが心配されて
「先生、この子はこのまま大丈夫でしょうか。どうか信じてあげたいんですが。」
「それは本当の個性を伸ばしてくれるような、そういう素質がきっとおありでしょうから、そちらをおやりなさい。」
説明 . 1
「お母さん、一つだけお願いです。早くしなさいという言葉は一言も言わないでほしいのです。それがこの子の個性だからです。だから、私もまた、全力でこの子を応援したいと思います。」
(製作者註)大河原香さんは、卒業後「中学生文部省大賞」を受賞します。作文のタイトルは「向山洋一先生」。年齢別記録集第17巻に掲載されています。