詩「ぼくは川」(光村4年上)
詩「ぼくは川」(光村4年上)の授業。詩の設定を押さえ、イメージをもたせ、作品のおもしろさに気付かせる。

「ぼくは川」 坂田寛夫
ぼくは川 坂田寛夫
じわじわ広がり
背を伸ばし
土と砂とをうるおして
くねって うねって ほとばしり
とまれと言っても もうとまらない
ぼくは川
真っ赤な月にのたうったり
砂漠の中に渇いたり
それでも雲の影うかべ
さかなのうろこを光らせて
あたらしい日へほとばしる
あたらしい日へほとばしる
【授業の流れ】
1.音読
2.視写
3.詩の設定を押さえる。
①話者は誰ですか。
②大人ですか。子供ですか。
③ぼくはどんな性格だと思いますか。
4.イメージをもたせる。
①ぼくはどんな様子で進んでいますか。
②ぼくから見えるものは何ですか。
5.作品の中心を考えさせる。
①ぼくが一番言いたいのはどの部分ですか。
②ほとばしろうとするぼくを邪魔している部分があります。どこですか。
③「真っ赤な月」「砂漠」という言葉からどのようなことをイメージしますか。
6.詩のリズムに気付かせる。
①詩の中でおかしなところが一か所あります。どこですか。
7.それぞれの読み方で朗読させる。
8.感想を書かせる。
1.音読
①自分で読ませる。
②2,3人に読ませる。
③意味が分からない言葉などを確認する。
④再度、自分で読ませる。
2.試写
一文字空きを確認してから視写させる。
3.詩の設定を押さえる。(話者、リズム)
話者は誰ですか。
川、ぼく
ぼくは大人ですか。子供ですか。
子供
「ぼく」と言っていることから、だいたい子供であろうと想像する。
ぼくはどんな性格ですか。
強い性格
何にもへこたれない性格 など
4.イメージをもたせる。
ぼくはどんな様子で進んでいますか。
じわじわ広がる
背を伸ばす→長くなる
くねる
うねる
ほとばしる
とまらない
のたうつ
渇く など
ノートに書かせ、一つずつ発表させる。
子供たちの中に一つずつ、イメージが加わっていく。
ぼくから見えるものは何ですか。
土
砂
真っ赤な月
砂漠
雲
さかな
うろこ など
どのような答えも根拠があればすべて良しとする。
5.作品の中心を考えさせる。
ぼくが一番言いたいのはどの部分ですか。
あたらしい日へほとばしる
ほとばしるぼくを邪魔している部分があります。どこですか。
真っ赤な月にのたうったり
砂漠のなかに渇いたり
「真っ赤な月」「砂漠」という言葉からどんなことをイメージしますか。
邪悪
死
熱い など
ノートに書かせ、発表させる。
川であるぼくはそのような苦悩があっても、あたらしい日へほとばしろうとしているのですね。
6.詩のリズムに気付かせる。
詩の中でおかしなところが一か所あります。どこですか。
ぼくは川
すべて七五調で書いてあるのに、その一文だけが違う。
※ちなみに、その前文の「もうとまらない」だけが五音をはみ出している。
「もうとまらない」で止まっていないところに面白さを感じる。