発音の変遷が分かれば語源がわかる
日本語の音の変化から、語源を理解する授業です。
「ばあばには二度あえて、じいじには一度も会えないもの」というなぞなぞから始まって、興味を持たせたまま語源を学ぶことができます。

ねらい 日本語の音の変化から語源を理解する。
なぞなぞです。
ばあばには二度あえて、じいじには一度も会えないもの
何でしょう?
先生の口を良く見ていてね。
くちびるです。
室町時代にはこのようななぞなぞでした。
母には二度あひたれども 父には一度もあわず
この答もくちびるです。
ははって言ってごらん。くちびる合わないよね。どうしてこのような答えになるのでしょうか。お隣と相談。
分からないよね。
実は、室町時代以前は、「はひふへほ」は「ふぁふぃ ふ ふぇ ふぉ」と発音したのです。
「はは」を室町以前の発音にしてごらん。
「ふぁふぁ」となります。
くちびるが二回あいますね。
江戸時代に入って「はひふへほ」と発音するようになったので、なぞなぞの文章を変えたのです。
室町時代よりさらに前の時代、奈良時代にはこのように発音しました。「パピプペポ」
奈良時代の歌を詠んでみます。
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり
心悲しも ひとりし思へば
ハ行をパ行にかえて読んでごらんなさい。
うらうらに てれるパルピに ピパリあがり
心悲しも ぴとりし おもぺば
ひよどり
奈良時代の読み方で読んでごらん。
ピヨドリ
光る
ピカル
ピヨという鳥の鳴き声が、ピカピカと光っている様子が、現れます。
過去、どのように発音されていたかを知ることで、言葉がどうやってできたのか、その一部を知ることができるのです。
引用
向山型国語教え方教室 向山国語に挑戦61
後奈良院御撰何曾
日本語の歴史 山口仲美 岩波新書
知らなかった!日本語の歴史 浅川哲也