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一版多色刷り版画 「花火遊び」 下描き

一版多色刷り版画の特長を生かした題材の一つです。

1 準備物

①油性黒マジックペン(中細と極細の両方がついているもの)
②版木(30㎝×20㎝) 
③線香花火の写真・画像

2 下描き(90分)

1 花火を見る

インターネットから花火の画像をダウンロードした。 
教室を暗くし、花火の画像を大きくスクリーンに映して見せるだけでいい。
子どもたちは花火の美しさにうっとりとなっている。

2 花火の芯棒と手の描画

紙は縦横どちらでもよい。
①花火を描く場所の円 ②芯棒 ③掌 の順に描く。

最初に花火描く場所に掌くらいの円を描く。
(いずれも教師が絵を板書しながら教える。)

指示 . 1

花火の場所をつくります。板の真ん中以外ならどこに描いてもよろしい。
ここに花火を描こうと思うところに掌くらい丸を描きなさい。

次にその円の中心から外に向かって棒を描かせる。

指示 . 2

丸の中心から外にむかって、鉛筆くらいの太さで棒を描きなさい。

最後に棒をつまむ手を描かせる。
このとき、指が心棒にくっついているように描かせる。
手の描かせ方は「木版画 人物の下絵 アイロンの描き方のポイント」を参考にしてほしい。

3 顔の描き方

指示 . 3

鼻の穴だけ描きます。
2つの鼻の穴を真横に並べないで、わざと2つの鼻の穴が斜めになるように並べて描きなさい。

顔の中の部分を描かせるときは、その部分を触らせながら描く。
五感をフルに使う。

説明 . 1

鼻を触ります。鼻は丸いね。(触りながら)ぽちゃぽちゃしていますね。
鼻は目の間まで高くなっています。ここまでが鼻ですよ。

指示 . 4

鼻全体もななめになるように描きなさい。
カタツムリの速さで描きます。
「ヨーイ」「スタート」

このように酒井式描画指導法の描き方で顔を完成させる。
次のような手順で描き進める。
①鼻 ②口 ③目 ④眉 ⑤あご ⑥ほお ⑦髪

4 腕の描き方

腕は、顔と掌を「長い線」で結ぶ。
「長ーい線で描きなさい」という指示を出す。
その線の上から、服を描かせたり腕を描かせたりする。

指示 . 5

腕は顔から掌までつなぎなさい。
動きが大げさに見えるよう、腕がうんと長くなるように描きましょう。
画面からはみ出るような腕を描いた人は「天才」です。

5 胴体と服の描き方

胴体を、人物の動きが出るような方向に描く。

説明 . 2

顔から胴体を伸ばします。顔の向きとは違う方向に伸ばしましょう。
鉛筆で描きます。

指示 . 6

胴体の線を描きなさい。

説明 . 3

腕も胴体も鉛筆の線のままですから、その上からペンで腕や服を描きます。

指示 . 7

服は柔らかいので、グニャ、グニャっと描きます。
カタツムリの速さで描きます。
「ヨーイ」「スタート」

これで人物が完成する。
失敗した線やいらない線があっても、彫刻刀で彫らなければ問題がない。
だから、いちいち消したり✖を付けたりする必要はない。