歴史的仮名遣い《え・へ・ゑ》
歴史的仮名遣いにおける「え」と「へ」と「ゑ」の使い分けを,俳句や短歌を使って説明する授業です。2006年8月8日,TOSS大和デーで模擬授業をしました。

↓ 授業用コンテンツはこちら。
http://www.tos-land.net/teaching_material/users/176/draft_contents/97466
「文字の使い分けの勉強をします。」
五十音図です。ヤ行とワ行をノートに書きなさい。

1人を指名して,板書させる。
「こうなるんですよ。」

柿( )鐘が鳴るなり法隆寺
カッコにあてはまるのはどれですか。 ア 食えば イ 食へば ウ 食ゑば
「アだと思う人?…イ?…ウ?」
「食う」「言う」「思う」は,歴史的仮名遣いでは「食ふ」「言ふ」「思ふ」となります。これらはハ行に活用するのです。

傍線のところだけ読みます。

「サンハイ。『活用は一行に納まる。』正解は,イです。」
みかきもり衛士のたく火の夜は( )昼は消えつつものをこそ思へ
カッコにあてはまるのはどれですか。 ア 燃え イ 燃へ ウ 燃ゑ
『零戦燃ゆ』・『山河燃ゆ』・『燃ゆるとき』なんていうのがあるでしょう。だから,これはヤ行に活用します。
傍線(だけ読みます)。

「サンハイ。『活用は一行に納まる。』正解は,アです。」
残りゐる平地の林守らむと潮来に集ひ苗木( )←ウエタリ
知らないでしょう?平成17年,茨城県で開かれた第56回全国植樹祭について詠まれた歌です。作者は誰ですか。
「天皇陛下ですね。植樹祭で苗木を植えたというのですから。」
カッコにあてはまるのはどれですか。
ア 植えたり イ 植へたり ウ 植ゑたり
「終止形は『植う』。そして,このように活用します。」

「植う」「飢う」「据う」この3つだけワ行の活用なのです。植わるとかすわるとかいうでしょう。
「傍線のところだけ読みます。」

「サンハイ。『活用は一行に納まる。』正解は,ウです。これから短歌や俳句の勉強をするときは,「エ」がどのように書かれているか注意しながら読みましょう。」