高校倫理︰ギリシア哲学・プラトンの「イデア論」①
高校倫理で実践した授業の展開のうち、生徒との対話の中で授業がしやすかったと実感した授業の指導言を記す。ギリシア哲学者プラトンの「イデア論」の授業一部である。

①プラトンの「イデア論」
教科書 25 ページ。
前回、学習したギリシア哲学者は誰ですか?
ソクラテス
その弟子のプラトンについて学びます。
プラトンは、ソクラテスの生と死を深く受け止め、そこに含まれていた考え方を人の生き方だけでなく、自然や世界のとらえ方全体にまで及ぶ思想へと展開した人物です。(教科書の文章を読み、プラトンについて紹介する)
プラトンの主張を見ていきましょう。
ところで、これは何ですか?(ボールペンを見せる)
ボールペン
これは何ですか?(黒板消しを見せる)
黒板消し
これは?(ノートを見せる)
ノート
では、A君はなぜこれがボールペンだとわかるのですか?
(例:知っているから)
なぜ、ボールペンだと知っているのですか?
(例:見たことがあるから)
なるほど。では、これを見たから、ボールペンだと分かるのですね?
(???)
これを見て、なぜボールペンだと分かるのですか?
(例:どこか?で知ったから)
その通りなんだよね。どこかでこれを見たことがあるから、これが“ボールペン”だとわかるんだよね。
では、どこでこれを見たのか。プラトンは次のような世界で見たといいました。(黒板に“idea”と書く)
Bさん。あのアルファベットを読んでごらん。
アイディア。
もう一人。Cさん。そのまま読んでごらん。
イデア
プラトンは、例えば、「イデア」という世界で、“ボールペン”を我々が見たから、これが“ボールペン”だと分かると、主張するのです。
このようなイデア界に関する論を、何論というでしょうか?
教科書から見つけてみて。
何論といいますか?
イデア論
次です。教科書 26 ページを見ます。
6行目。先生が読むので、聞いていてください。
このような意味で、すべてのものについて、人はそのイデアを知ることで、それぞれのものの真実のあり方をとらえたということできる。つまりイデアとは、感覚を通じて出会う個々の事象の真のあり方を示す原型・模範となる存在である。
このようにプラトンは主張しています。
更にプラトンは、様々なイデアの中で、他のイデアが成立するための原理となる特別なイデアについても述べています。
このような特別なイデアのことを、○○のイデアと言います。教科書から見つけてノートに書きなさい。
(善のイデア)
プラトンは、この「善のイデア」を学ぶべき最大のものとしたそうです。