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数列・難問(その5)(DL可)

本稿は「漸化式」の問題を扱う。授業中の少し空いた時間を利用して生徒の関心を引きつけ、積極的な参加を促す方法として、数学の興味深い問題を取り入れる。実際に出題する際は、教師がクラスの半数の生徒が解けそうだが解けないと判断した時点で提示すると効果的である。

問題

nが自然数のとき、次の数列{a_n}について考える。
a_1= 1,\quad na_(n+1)-4(n+1) a_n= 3n(n+1)
(1) b_n=\displaystyle \frac{a_n}{n}とおくとき、数列 {b_n}の一般項を求めよ。
(2) 数列{a_n}の初項から第n項までの和S_nを求めよ。

解答例

(1) na_{n+1} - 4(n+1)a_n = 3n(n+1)
両辺を n(n+1) で割ると、\displaystyle \frac{a_{n+1}}{n+1} = 4\frac{a_n}{n} + 3 となります。
b_n =\displaystyle \frac{a_n}{n} とおくと、b_{n+1} = 4b_n + 3 が得られます。
新しい数列 c_n = b_n - \alpha を考え、c_{n+1} = 4c_n となるように \alpha を決定します。
特性方程式は \alpha = 4\alpha + 3 であり、これを解くと \alpha = -1
c_n の初項 c_1 = b_1 - 1 = 2 - 1 = 1 と公比 4 の等比数列として c_n = 4^{n-1} が得られます。
b_n = c_n + 1 から、b_n = 4^{n-1} + 1