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明日の授業に活かせる校内研究を仕組む「研究主任」の仕事

「研究」に対する熱量・知識は教員それぞればらばらである。そもそも「研究」とは何か知らない先生もいる。また、校内研究でどのような研究を行っていくのか着任されたばかりの先生は知らない。よって、これらを研究主任ははじめに伝えていく必要がある。

1.「研究」とは??

「研究」とは何か。それは教育活動において、他に分かち伝える価値のある内容について、以下の3点に留意しながら主張する行為である。

(1)先行実践に対する考え
(2)先行実践に対する代案
(3)他者にも伝達できる再現性

昨年度から同じ研究テーマで今年度も行っていくのであれば、これまで行ってきた実践に対して「私はこのように考える」と自身・学年の考えを明らかにすることである。そして「今年度はこのようにやってみる」という代案を示す。
再現性とは、本年度行った研究授業を来年度も授業にかけて検証できるように、学習指導案を作成するということである。

2.「学習指導案」とは??

「研究主題」と本時の「子供の事実」との関係を、授業者がどのように意識して授業を行うのかを、参観者に示す文書である。授業では、以下の4点を明らかにする。
①何を
②どう与えれば
③子どもはどう変わる
④その変化はどのような理由で望ましいと言える
 要するに、

研究主題がこうですから、このような子どもの事実を創り出す授業のあり方を提案します。

ということを伝える。

3.研究主任の仕事①

可能であれば前年度のうちに、校長先生に研究テーマをおたずねする。

①自分の考えを書いたうえで、相談にいく。
②主となる部分を校長先生に決めてもらう。
③もし職員の間で意見が分かれたとしても、校長先生がまとめてくれる。

4.研究主任の仕事②

自分が切り拓く!という心構えをもつ。

①人がやりたがらないところをやる。
②最初に自分が研究授業する。
③研究内容、手法を自分から提案する。
④できる限り分厚く、具体的に!

5.研究主任の仕事③

望ましい研究とは何かを示す。

①「教師の指導によって子どもの何かを高める」という意識が明確。→【育成したい資質・能力】
②明確に評価ができる。

6.研究主任の仕事④

研究テーマのあり方を示す。

①教師の研究であるから、【研究主題】の書き方は「~の指導法の工夫」が基本。
②指導法の工夫をこうしたから、子どもがどうなったということが言えればよい。
→【研究仮説】
「~の授業において、~の工夫をしていけば、児童は~を身に付けることができるだろう。」
そして、【研究の仮説に迫るために手だて】、今年度の研究が終わったときに【成果と課題】を示す。

7.研究主任の仕事⑤

評価できる研究にする。

すでに研究テーマが決まっていて、評価のしようがない・・・
①少なくとも校内で議論をする。
②せめてサブテーマをつける。
③そこに評価できるように改良する。

評価は数値で表すのが望ましい。=定量的な評価

①概ね定量的に評価されなければならない。
②数値で表す。

定性的な評価

明らかに変化していることを描写的に表現する。
①いつ、どんな場所で、どんな子供が
②どのような指導をした結果
③どういう言葉を言った
④どのようなやり取りがあった
⑤どのような行動をした
⑥教師の投げかけに対して、このように対応した