学びて時に之を習ふ―「論語」から(2025)
【授業時間:3時間】
・言葉の意味を詳細に教えるのではなく、言葉の意味を活用した作文を書かせることで理解を深めさせる。
・論語の言葉、言葉の意味、言葉を贈りたい相手、贈る理由をフォーマットに従い、作文にまとめて書く。

1 音読・暗唱
38ページ。題名を読みます。(一斉音読)
説明を読みます。(一斉音読)
論語の言葉がいくつか載っています。言葉の意味を確認したあとで、その言葉を送りたい相手を決めて、作文を書きます。
一つ目の言葉を読みます。「子曰はく、学びて時に…」
追い読み、交替読み、各自読み、一斉音読など、変化を付けながら何度か音読練習をする。
現代語訳を読みます。「先生がおっしゃるには…」(一斉音読)
残り三つの言葉も同様に音読練習をする。
この後、音読テストをします。各自で練習しなさい。
音読テストをします。まずは一つ目の「学びて時に~」です。班の中で一人ずつテストをします。間違えたら立ちます。正しく読めたら座ります。何度挑戦してもOKです。
暗唱テストをします。四つの言葉から好きなものを一つ選んで暗唱テストを受けます。合格したら名簿に〇を付けて、二つ目の言葉を覚えておきなさい。
時間いっぱい暗唱テストをする。
2 暗唱・贈る言葉作文
暗唱テストをします。前回、まだ合格していない人は一つ目。前回、一つ目を合格した人は二つ目の暗唱テストを受けに来なさい。
5分ほど暗唱テストをする。
論語の中から好きな言葉を一つ選んで、作文を書きます。(書き方を示す)
・論語の言葉
・言葉の意味
・贈りたい相手
・理由(贈る相手と言葉の意味を関連付ける)
まず、四つの中から好きな言葉を選びます。
(板書)
論語に、「…………」という言葉がある。
次に、その言葉の意味を書きます。
(板書)
これは、「…………」という意味だ。
次に、その言葉を贈りたい相手を決めます。
友だちでもいいし、家族でもいいし、未来の自分でもいいです。
(板書)
私はこの言葉を○○○○に贈りたい。
最後に、理由を書きます。その相手がどんな人なのか、なぜその言葉をその人に贈りたいのか、どんなメッセージを伝えたいのか、ということを詳しく書きます。
理由を書くときに、作文アシストAIツール「作文応援くん」を活用させる。
作文応援くんシリーズ
↓
考えた文章を作文応援くん「なおす君」に送信すると、正しい日本語に整えてくれます。それを参考にして、ノートに書いていきます。
(板書)
文章を「なおす君」に送信
↓
改善案
↓
参考にしてノートに書く
示された改善案が自分の書きたい文章とは違う場合は、自分で修正して書きなさい。何も考えずに丸写しはダメです。
【生徒作文】
論語に「学びて思はざれば則ち罔し。思ひて学ばざれば則ち殆し」という言葉がある。これは「学んだだけで自分で考えなければ明確には理解できない。自分で考えただけで学ぶことがなければ独断に陥って危うい」という意味だ。
私はこの言葉を自分に贈りたい。
なぜなら、私は話を聞いただけでそれについて深く考えようとせずに終わらせてしまうことが多いからだ。また、わからないところをそのままにして間違ったことを覚えるのではなく、友達や先生の話をよく聞いて自分の考えを見直すべきだと思った。だから私はこの論語を自分に贈りたいと思う。
3 贈る言葉作文
まだ完成していない人は続きを書きます。完成したら先生チェックを受けます。合格したら、論語の他の言葉をネットで調べて、同じように二つ目の作文を書いていきなさい。
【生徒作文】
論語に「子曰く、先ず行う。その言は、しかるのちにこれに従う」という言葉がある。これは「まずは行動をしなさい。言葉は後からついてくるのだから」という意味だ。
私はこの言葉を自分に贈りたい。
理由は、私は今、学校の最高学年となり、後輩たちを引っ張っていかなければならない。しかし、そんな時、言葉で指示してばかりだと気づいた。教える立場になった時、言葉だけでは伝わりにくい。まずは自分がやってみせるべきだと思った。
また、普段はだらしない自分がいると思う。何かする、何になるという言葉だけでなく、すぐに行動することが大切だと伝えたいからだ