定積分の置換積分法
定積分の置換積分法は、計算手順が多い。計算手順を明確にすることでミスが少なくなる。また、出題パターンも限られているので、教科書の問題を使ってパターンを整理するとよい。

1 授業のアウトライン
① 教科書の例示問題1・練習問題1(10分)
② 例示問題2・練習問題2(10分)
③ 例示問題3・練習問題3(10分)
④ 教科書傍用問題集(20分)
2 教科書の例示問題1・練習問題1はこう授業する
定積分の置換積分法の手順
①置き換え
②積分区間の変更
③dx
を作ると、求めることができる。
また、問題のパターンも限られている。 (1) x=a\mathrm{sin} \theta (円の一部)\\ (2) x=a\mathrm{tan} \theta \\ (3) その他 教科書では(3)から載っているが、(1)のから方が理解しやすいので、順序を入れ替える。
教科書192ページ。例題8を読みます。\left ( 定積分 \int_0^2 \sqrt{4-x^2} dxを求めよ。\right)
考え方を読みます。\left( \sqrt{4-x^2}の積分では、x=a\mathrm{sin} \theta とおいて考える \right)
初めに何をしますか。(x=2\mathrm{sin} \theta とおきます)
次に何をしますか。(積分区間を変えます)
最後に何をしますか。(dxを求めます)
あとは、教科書のように式を変形し、計算すれば求めることができる。
この積分はある図形の一部と同じです。それは何ですか。(円の一部、おうぎ形です)
もちろん、y= \sqrt{4-x^2} を変形して、x^2+y^2=4。
教科書の図で説明してもよい。
3 例示問題2・練習問題2はこう授業する
教科書193ページ。例題9を読みます。\left ( 定積分 \int_0^1 \frac{4}{1+x^2}dxを求めよ。\right)
初めに何をしますか。(x=\mathrm{tan} \theta とおきます)
次に何をしますか。(積分区間を変えます)
最後に何をしますか。(dxを求めます)
生徒によっては、1+\mathrm{tan} \theta =\frac{1}{\mathrm{cos} \theta }が分からないことがある。
その場合は、\mathrm{sin}^2 \theta +\mathrm{cos}^2 \theta=1から導出すればよい。
4 例示問題3・練習問題3はこう授業する
教科書191ページ。例15を読みます。\left ( 定積分 \int_0^1 x(1-x)^4 dxを求めてみよう。\right)
初めに何をしますか。(1-x=t とおきます)
最後に何をしますか。(dxを求めます)
次に何をしますか。(積分区間を変えます)
別の問題で、被積分関数の中に平方根が入ってくることがある。
例えば、x \sqrt{2x+3}であるが t=2x+3とおくより、 t= \sqrt{2x+3}とおいた方が計算が少なくて済む。