「種子の発芽」の実験、4つのコツ
インゲンマメを使った「種子の発芽」の実験を成功させるためには、コツが必要である。
そのコツを知っているだけで、実験の成功率はグーンと上がる。

インゲンマメを使った種子の発芽の実験では、種子を枯らしてしまったり、腐らせてしまったりしてしまうことがある。
観察を継続して行わせていくために、4つのポイントを示した。
(1) 水を枯らさない。
朝教室に入ると、まず、種子の様子を見るようにする。乾燥しかかっているものを見つけると、すぐに水を与えるようにする。習慣にすることが大切なのだ。
インゲンマメの発芽の適温が、25℃前後ということは、水が蒸発しやすい温度ということでもある。特に、金曜日には、気を付けなければならない。土日のうちに乾燥してしまっていることもあるからだ。
また、この実験は、ゴールデンウイークが終わってからする方がよい。水が乾燥してしまうからだ。また、ゴールデンウイークは、発芽をしても観察できない。
(2) 水を入れ過ぎない
水を与え過ぎると、失敗をしやすい。種子に水を与えたらいいというものではないのだ。
インゲンマメの種子は、水に入れると水を吸って柔らかくなる。
種子が発芽の準備をするといってもよい。
しかし、水を含むということは、腐敗しやすいともいえる。
水が多いと、その水が濁りやすくなり、発芽をし始めても腐ってしまう場合もある。いつも新しい水にするためには、種子がギリギリ濡れている程度にしておくのが良い。
インゲンマメの種子を直接土にまく場合も、水を与え過ぎてはいけない。
土が少し乾き加減になったら水を与える程度にするのが良い。
(3) 毎朝、すぐ観察する。
担任が観察する態度を示すことが、子どもの意欲にもつながっていく。毎朝、教室に入ったらすぐ観察する。理科の授業の時だけ観察するのではなく、毎日観察する。
教室に置いておくと子どもは、毎日見るが、理科室などに置くと、毎日見ることはない。
担任は、子どもと一緒に驚きながら種子の変化を見る。発芽の実験では、ほんの少しの変化にも気づくことこそが、大切なのである。
(4) 水に沈めたインゲンマメの容器にはふたをする。
発芽には空気が必要かどうかを調べるのに、水に深く沈めたインゲンマメの種子を観察する。水に沈んだインゲンマメは、空気を吸うことはできない。
ただし、水に沈んだインゲンマメは、腐敗しやすい。そのため、水が空気に触れないようにする。容器の上のギリギリまで水を入れて蓋をしておく。
そうすることで、水が空気に触れず、水が濁ってくることはない。