子どもが熱中する!「社会科ノートまとめ」
社会科の単元のまとめとして最適な、「見開き2ページのノートまとめ」。子どもたちが熱中して取り組むためのポイントを紹介します。

1.向山型「ノートまとめ」指導
向山洋一氏は、ノートまとめについて、次のように書かれている。
1 1単元を見開き2ページでまとめさせる(見開き2ページに限定する)。
2 教科書・資料の丸写しは認めない。
3 イラスト・図解をすすめる。
4 ノートづくりの時間を与える。
5 見開き2ページごとに評価する。評価は「合格」のみ。ランクはつけない。
不合格は「修正する」「やりなおす」ようにすすめる。
6 特に立派なノートは全員に紹介する。
教育トークラインNo.49より
向山氏の「ノートまとめ」指導を、4年「なくそう、こわい火事」で追試した。
2.「なくそう、こわい火事」のノートまとめ
(1)ノートまとめの「観点」を示す
ノートまとめをします。
「地域のはってんにつくした人々」のところを、見開き2ページでまとめてもらいます。
子どもたちからは、「えーっ!」「無理!」の声が上がる。
全く気にせずに、次の説明をする。
10点満点で評定します。10のポイントがあり、1つにつき1点で評定します。
10項目の観点を黒板に書く。(山口県・河田孝文氏の項目を修正追試した)
【10の観点】
1 タイトル タイトルを工夫して書いているか。
2 見やすさ 見やすくまとめられているか。
3 カラフル 色えんぴつを使って、カラフルに仕上げているか。
4 イラスト イラストを使い、そのイラストに意味をもたせているか。
5 図 図や表を使っているか。
6 マ ス ノートのマスを活用しているか。
7 丁 寧 さ 文字を丁寧に書いているか。
8 詳 し さ 大切なことを詳しく書いているか。
9 キーワード 単元の重要語句・重要事項を書いているか。
10 感 想 感想を書いているか。
(2)モデルを示す
いきなり書かせるのは、難しい。子どもたちの中にイメージがないからである。
そこで、次のように話をする。
先生が以前担任したクラスで作ったノートまとめです。
よーく見て、マネをすればいいのです。
パワーポイントで前面に提示してもいいし、カラーコピーして子どもたちに配付してもよい。
初めてノートまとめに挑戦するときは、配付した方が参考にしやすくなる。
(下のリンクに、印刷用のお手本があります。ダウンロードしてお使いください)
提出の締め切りは、〇月〇日の放課後です。それまでに、社会の時間は今日を入れて3時間です。間に合わないと思う人は、休み時間や家でやっても構いません。
では、はじめ。
締め切りを最初に示しておくことが大切だ。
締め切りを示すことで、子どもたちの集中力が高まる。緊張感を持って作業をするようになる。
(3)途中で、「現在の評定」を伝える
15分ほど経ったところで、教師は教室を見回る。
そして、次のように言う。
〇〇くん。タイトルが上手に書けていますね。
文字も丁寧です。カラフルでとってもいいですね。
あとは、情報が詰まってくるかどうかですね。
現状3点。このままがんばれば、合格する可能性が高いですね。
△△くん。タイトルがあまり工夫されていませんね。
字もやや雑です。でも、キャラクターはとってもいい。
現状1点。このままいけば、不合格になるかもね。
でも、まだまだ巻き返し可能です。
このように、途中経過を入れてあげるのである。
最後までやって、「不合格」にしてしまうと、やる気をなくしてしまう子が出る。
「途中経過」を入れ、評定してあげることで、見通しが持てるようになる。
(4)できない子には、個別に対応する
ほとんどの子は、これでノートまとめを進めることが可能である。
しかし、特別支援学級の子や特に苦手な子は、このまま進めると全く書けないまま、ということが出てくる。
特に苦手な子には、次のように対応する。
個別に呼んで、ヒントを示したり、赤鉛筆で書いてなぞらせたりする
これは、全員が熱中状態に入ってから行う。
熱中していると、個別に呼んでも全く気づかない。
その中で、個別指導をするようにする。
(5)実物の「ノートまとめ」

