「必要条件」と「十分条件」の基礎・基本(DL可)
必要条件と十分条件は、日常生活では馴染みのない用語である。特に、「必要」と「十分」の意味がとらえにくい。コンテンツを使って説明をする。また、命題の逆は解き方が決まっているので、アルゴリズムを確定させることでミスを減らすことができる。

1 授業のアウトライン
① 定義(15分)
② 教科書の例示問題1・練習問題1(5分)
③ 教科書傍用問題集(5分)
④ 例示問題2・練習問題2(10分)
⑤ 例示問題3・練習問題3(10分)
⑥ 教科書傍用問題集(5分)
2 定義
十分条件と必要条件の定義は難しい。ここでは厳密な定義は詳しくは扱わない。
前ページで行った部分集合の考えを取り入れ、問題を解くことをメインにする。
コンテンツ(hitsuyoujouken.pptx)で覚え方を共有をする。
※コンテンツに指示・発問は載せています。
必要条件は「全部必要」、十分条件は「これだけで十分」と覚えさせる。
これだけでは問題が解けないので、カードを使った活動を行う。
活動1:条件を決めさせる
【板書】バナナは果物であるための( )条件。【発問】何が入りますか。(十分です)
活動2:命題を作らせる
【板書】( )は( )であるための必要条件。【指示】カードを黒板に貼りなさい。(奇数、3、の順)
3 教科書の例示問題1、練習問題1はこうする
教科書124ページ。例3を読みます。(命題 x=3⟹x2=9。は真であるから⋯)
『x=3⟹x2=9であるための十分条件』とかきなさい。
x2=9を解きなさい。
①大小関係の確認、②主語に着目、③ベン図や数直線で示す活動を通して、条件を確定させ理解を深める。
「多(い)」「少(ない)」をかきなさい。
主語は何ですか。(x=3です)
この関係を何といいましたか。(十分条件です)
十分条件はどのように覚えましたか。(これだけで十分、です)
ベン図をかきなさい。
4 例示問題2・練習問題2はこうする
必要十分条件は「P=Q」である。そのことを示せればよい。
教科書124ページ。例4を読みます。『4x=20⟹x=5』と『x=5⟹4x=20』はどちらも真 ⋯ 。
4x=20を解きなさい。(x=5です)
このように(左辺)=(右辺)の関係を必要十分条件といいます。
問4は必要十分条件を選ぶ問題だが、必要条件と十分条件も選ばせてもよい。
5 例示問題3・練習問題3はこうする
命題の逆の定義。はそれほど難しくない。逆の真偽を確かめることに時間をかけたい。
逆が真になるときは、『元の命題が偽のときと、必要十分条件のとき』しかない。
教科書125ページ。例5を読みます。(次の命題の逆を作り、その真偽をしらべてみよう)
『逆を作り』を①、『その真偽を調べてみよう』を②とします。教科書に①と②をかきなさい。
①、②の順で授業を組み立てる。
(1)を読みなさい。(3x−5=4⟹x=3)
初めに何をしますか。(逆を作ります)(x=3⟹3x−5=4、です)
次に何をしますか。(真偽を調べます)
結局、何が言えるのですか。(逆にしても真です)
この問題は元の命題が『必要十分条件』である。
(2)を読みなさい。(x>5⟹x>2)
初めに何をしますか。(逆を作ります)(x>2⟹x>5、です)
次に何をしますか。(真偽を調べます)
x>2であれば、必ず x>5ですか。(違います)
反例は、例えば何がありますか。(x=3です)
この問題は元の命題が『十分条件』である。