知的好奇心を喚起する理科の授業「野菜は水に浮くか」
子どもたちが熱中する授業には,このような知的好奇心を刺激するような展開があると考える。
「新しいことを知りたい」という気持ちと「もっと詳しくなりたい」という気持ち。どちらも大切だ。

(1)水に浮く野菜を予想する
次の野菜は,水に浮くと思いますか。沈むと思いますか。
・「ピーマン」「にんじん」「じゃがいも」「きゅうり」「かぼちゃ」が水に浮くか沈むか予想する。
・友達と相談させたり,ノートにまとめたりするとよい。
・Jamboardを活用する方法もある。
(2)実験1
実際に,水に浮かべてみましょう。
・班に1つずつ野菜を準備することができれば,班ごとに実験をさせると盛り上がる。
野菜をたくさん準備することができないときには,教師の机の周りに子どもを集め,実験の様子を観察させる。
やり方を示し,数名の子どもに,実験をさせるのもよいだろう。
①水に浮く→ピーマン,きゅうり,かぼちゃ。
②水に沈む→じゃがいも,にんじん。
(3)考察
浮く野菜と沈む野菜は,それぞれどのような特徴がありますか。
班で相談をさせたり,ノートに考えをまとめさせたし,その後,発表させる。
地上で育つ野菜は浮き,地中で育つ野菜は沈みます。
・浮くか沈むかは,野菜の密度の問題である。地上で育つ野菜は,常に多くの空気に触れているため空気を多く含むものが多くなる。一方,地中で育つ野菜は,空気を多く含んだ場合,大雨の際に水に浮いてしまい育てなくなってしまう。そのため,密度が高く地中に埋まるような構造になっている。
キャベツ,さつまいも,レンコンは,水に浮きますか。沈みますか。
・法則を基に,様子させる。
キャベツ→浮く
さつまいも→沈む
レンコン→沈む
他にも実験してみたい野菜があるという人?
・いくつかの考えを出させ,家庭で実験をするように伝える。
(4)実験2
トマトは水に浮ますか。沈みますか。浮くと思う人。沈むと思う人。
・実際に実験を行う。
・法則性からすると,トマトは地上で育つ野菜なので,浮くという予想が立ちやすい。
・ところが,実際には沈む。法則が覆る場面である。
法則が覆ったとき,人は知的好奇心が喚起される。
・トマトは,糖度ができるだけ高いものを用意する。
糖度が低いと浮いてしまうのである。
まだ青いトマトなら浮きますか。沈みますか。
・青いトマトは沈む。糖度が低いためだ。
トマトでは,どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。
近くの人と相談させる。
このあと,教師が説明を行ってもよいが,オープンエンドで終え,自宅で調べたくなるような展開とするのもおもしろいだろう。