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高校倫理「伝統思想の成熟」① 無常観とは何か

無常観とは何か。無常観とは、一切のものは生成、うまれては移り変わり、同じ状態に留まらないということである。一瞬の時の移ろいを肯定的に見るという日本人の態度に影響を与えた無常観に関する内容を教科書を用い、実際に授業したものを再現する。

1.教科書の項目

① 無常観と美意識
※本コンテンツは無常観に関する授業
② 芸道の精神

2.授業の展開

説明 . 1

祇園精舎の鐘の声、なんとかの響きあり。

指示 . 1

なんとかに入る漢字4文字。言えそうな人は挙手。

指示 . 2

祇園精舎の鐘の声、なんとか。言って。

諸行無常

発問 . 1

諸行無常とはなんですか?

(例)すべてのものは移ろい、同じものはない。

説明 . 2

仏教の思想です。すでに見てきたとおり、仏教は日本人の精神生活に大きな影響を与えてきました。この世はすべて移ろうものである。なので、それに執着せずに仏道に専念すべきだとする考え方が主張されました。

発問 . 2

このような、一切のものは生成、うまれては移り変わり、同じ状態に留まらないとの見方。漢字3文字でなんとありますか?

無常観

説明 . 3

この無常観。文学の主題に取り入れられ、信仰のあり方から、四季の変化など。春夏秋冬といったもの。

発問 . 3

季節は、例えば、ずっと春ですか?

(例)違う。

説明 . 4

春の次は夏。

発問 . 4

つまり、季節も?

(例)季節も変わる。/季節も変化する。

説明 . 5

このように、四季の変化、移り変わりを受け止める力、感受性。また、一瞬の時の移ろい。

発問 . 5

例えば、2023年の冬。同じ冬はもう一度来ますか?

(例)2023年の冬は二度とこない。

説明 . 6

このように、日本人は一瞬の時の移ろいを肯定的に見る態度へと変化していったのです。