高校倫理「アリストテレス」① イデア論批判
プラトンの弟子のアリストテレスに関する授業内容である。アリストテレスはかつて師匠であるプラトンの学園アカデメイアで学んだが、プラトンの死後、イデア論を批判した。アリストテレスはなぜイデア論を批判したのか。実際に授業したものをブラッシュアップし、再現する。

1.教科書の構成
【4】 アリストテレス
①イデア論批判(今回)
②形相と質料
③四原因説
④可能態と現実態
⑤徳の倫理
⑥正義と友愛
2.授業の展開
今日もギリシア哲学の勉強をします。
これまで二人。ギリシア哲学者の思想について扱いましたね。誰と誰でしたか?
ソクラテス・プラトン
今日扱うのは、プラトンの弟子。アリストテレスといいます。
大事なので、丁寧にノートに書いてください。
書いたら、星マークをつけてください。
アリストテレスは、ギリシアの辺境で生まれ、17才のときにプラトンの学園に入門しました。
学園の名前、カタカナで言ってごらん。
アカデメイア
現在のなんというワードの語源だと思いますか?
予想でどうぞ。
(例)アカデミー
このアリストテレス。プラトンが80歳で亡くなるまでつき従いました。しかし、プラトンが没してからは、学園アカデメイアを去り、独自の思索を深めていくことになりました。
加えて、アリストテレス。彼は、師匠であるプラトンのある思想をいくつかの点で批判しました。
プラトンの思想。何論と言いましたか?
思い出して、言ってごらん。
イデア論
イデア論とはどのような論説でしたか?
イデア論とは、完全なる世界がイデア界であり、その影として現実の世界が存在するという理想主義的な考え方を言います。
アリストテレスは、このイデア論を何しましたか?
(例)イデア論を批判した。
そして、アリストテレスは、自然と人間の実際のあり方をより重視した考え方を切り開くことになりました。
ところで、アリストテレスの言葉でこのような言葉があります。
「すべての人間は自然本性的に知ることを希求する」存在である。
ただし、ここでいう留意点として、アリストテレスが探究する「知」。
どう言っていますか?
様々な事象がなぜそうなのかを説明し理解できるような知である。
このようにアリストテレスは言っています。
それでは、逆にプラトンの掲げる理想の世界、「感覚」でとらえる真実の世界。なぜその世界があるのか、説明できる?説明できない?
そのため、アリストテレスは、プラトンが知の対象としたイデアは、実際には感覚を通じて知られる事象とどのように関係したり、そのような事象の原理となったりするのかを説明できない…。と批判し、イデア論を批判するに至ったのです。