高校公共「経済学」⑤ 直接税の利点と問題
高等学校「公共」経済学の授業である。税制改革の項目ページのうち、直接税をめぐる利点と問題点について扱う。

1.単元計画
第3章 現代の経済社会
6節 政府の役割と財政・租税
① 政府の役割
② 景気調整の方法
③ 予算と財政投融資
④ 租税の種類
⑤ 税制改革(直接税の利点と問題を扱う)
⑥ 建設国債と赤字国債
⑦ 財政危機と財政再建
2.授業の展開
教科書 178 ページ。税制改革。
前回は、税金の種類について扱いましたね。
日本の税金、主に何税と何税がありましたか?
2種類、隣の人に言ってごらんなさい。
1つは?(2つは?)
「直接税」「間接税」
直接税と間接税の比率をみます。この2つの比率を「直間比率」といいます。
「直間比率」言ってごらん。
「直間比率」
2つの割合を見てみましょう。教科書 178 ページ上の表を見ます。
直接税と間接税にはどんな税金があるかが表記されていますね。
これ直接税と間接税、割合はどちらが多いですか?
○○さん。
「直接税」
直接税の割合が多いですね。
例えば、直接税には何税がありましたか?
隣の人に言ってみてください。
では、1つずつ、どうぞ。
「所得税、法人税、相続税、贈与税、地価税」など
このうち、収入に関わる税金は何税といいますか?
「所得税」
ところが、所得税のような直接税は様々な問題を抱えています。
教科書 178 ページの文章から見つけて、ノートに書いてごらんなさい。
書いたこと、言ってごらん。
「業種によっては所得額を正確に把握するのが難しい」「景気変動によって税収が左右されやすい」
そういった問題がありますね。
この直接税について、先生、利点と欠点それぞれスライドにまとめてみました。
利点。皆さんで。読んで。
「負担能力の大きい人にはより大きな税負担をしてもらう垂直的公平が確保できる」
欠点。
「累進課税制度が採られている所得税などは、景気の影響を受けやすく、安定した財源となりにくい。」
「累進課税」とはなんでしたか?
覚えている限りで、言ってみてください。
「所得が多い人ほど、払う税金の額が高くなる制度」
ということは、所得(収入)が多い人が払う税金の割合は高い?低い?(留意点:全体に投げかける)
「高い」
ところが、景気が悪くなりました。そうしたら、その人たちの収入が減る場合もあります。
その場合、国家の収入である「所得税」の割合も?どうなると思いますか?
予想を口々に言いなさい。
(例)「減る場合もある」「減ると思います」
その可能性もありますね。
つまりこういうことです。もう1回、この文章読んでください。○○さん。
「景気変動によって、税収が左右されやすい」
次は、1980 年代以降の税制改革です。見ていきましょう。