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3つの摩擦力を理解させる指導

静止摩擦力、最大摩擦力、動摩擦力という3つの摩擦力をグラフに示し、意味の違いを明確にする指導。

指示 . 1

摩擦に関する実験動画を見ます。

加える力を少しずつ大きくしながら、水平面に置いた物体を引っ張っていくときの様子を示す実験動画を視聴させる。
動画の例を紹介する。

指示 . 2

ばねが引っ張る力Fを横軸に、
摩擦力fを縦軸にして、
実験の様子を表すグラフを書きます。

こうなった人。
正解。
間違えた人は直します。
書けなかった人は写します。

発問 . 1

このグラフで、(青い)斜めの線は何を表していますか。
4人で相談。

指示 . 3

発表。

1.斜めの線は物体が静止していることを表している。
2.引く力と摩擦力が釣り合っている。
などの答えが予想できる。

逆に、まったく意見が出ないこともあり得る。
意見が出るかどうかは瞬時に判断する。
でないと判断したならば、さっさと説明してしまう。
間違えた答えが出てもがっかりしない。
正しい答えが出たら驚いてあげる。

説明 . 1

物体が静止している間、ばねが物体を引く力と摩擦力は等しい。
F1=f1
このときの摩擦力を静止摩擦力といいます。

指示 . 4

静止摩擦力。
さんはい。

「静止摩擦力」

発問 . 2

物体が静止しているとき、
物体を引っ張る力と摩擦力はどちらが大きいのですか。

これは引っかけ問題である。
静止しているときは、摩擦力が大きいと考えがちだ。
理科を苦手とする生徒にとって、強固な固定観念といって良い。
正しくは、「静止=つり合い」である。
「物体を引っ張る力と摩擦力は同じ大きさです」

発問 . 3

引く力と摩擦力が等しいとき、物体は動きますか。

「動きません」

発問 . 4

物体が静止しているとき、摩擦力は引く力より大きいですね。

これも引っかけ問題である。
「ちがう」
「等しい」
問い方を変えて、何度も答えさせる中で、静止摩擦力の意味を定着させる。

説明 . 2

静止摩擦力のうち、最大のときを最大摩擦力といいます。

指示 . 5

最大摩擦力。
さんはい。

「最大摩擦力」

説明 . 3

最大摩擦力をちょっとでも超えると、物体は動き出します。
物体が動いているときの摩擦力を動摩擦力といいます。

指示 . 6

動摩擦力。
さんはい。

「動摩擦力」

発問 . 5

物体が動いているとき、
物体を引っ張る力と動摩擦力はどちらが大きいのですか。

「物体を引っ張る力」
その通り。力の強い方に動きます。

指示 . 7

この図をノートに写します。

発問 . 6

摩擦力には3つの区別があります。
何と何と何ですか。

「静止摩擦力と最大摩擦力と動摩擦力です」

説明 . 4

確認問題。

発問 . 7

最大摩擦力はグラフのどこですか。
口々にどうぞ。

「A」

発問 . 8

静止摩擦力はグラフのどこですか。

「C」
同様にして、動摩擦力「B」を答えさせる。

また、
Aは何ですか。「最大摩擦力です」
Bは何ですか。「静止摩擦力です」
という聞き方でも答えさせる。