二重跳びリレー ~ 向山型体育
熱中する授業には、秀逸なシステムがある
向山氏のなわとび指導に『二重跳びリレー』がある
①男子チームと、女子チームでチームを作らせる。
②それぞれのチームを1列で並べさせる。
③前から、順番に跳ばせる。
④自分の番が来たら、その場で跳ぶ。(教師の前や列の先頭まで来させない)
⑤周りの子は、応援をさせる。
⑥勝負がついてしまっても、最後まで全員跳ばせる。
2チーム対抗で行う。4チームではなく,2チームで戦うからこそ子ども達は熱中する。勝ちか負けがはっきりとするからである。これを男女対決にするのがミソである。男子はプライドがあるから負けることに異常に抵抗感を感じる。しかし至って、二重跳びに関しては女子の方が跳べるものだ。大抵、女子が勝利することが多い。よって、男子はどうするか?「勝ちたい!みんなの前で跳びたい」いった理由から、必死に二重跳びの練習をするようになる。
勝負がついた時点で対決を止めないのもポイントだ。ややもすると、片方のチームが全員跳び終わった時点で,勝敗をついたから止めてしまいがちである。しかしこれは体育の授業である。基本線は運動量を確保し体力や技を向上させる。だからこそ、勝敗がついても全員が跳ぶシステムが必要であった。それが最後まで運動量を確保することにつながる。
私のクラスではドラマが起きた。その日のアンカーの女の子は、二重跳びがまだできなかった。それが、何と2回連続で跳び女子が勝ったのである。他にも1回しか跳べなかった子が2回連続で跳べたりした。大きな歓声と拍手が校庭に響いた。それはみんなの前で跳ぶ緊張感・チームが負けたくないという責任感など多様な事が相まって突破したのだ。そうして全員が二重跳びができた。その年の最後の体育の頃には,平均回数が8回までアップした。優れたシステムが二重跳び達人・名人を生み出すのだ。
二重とびが、それでも、1回もできない子のためには、次のような指示をする。
「1回二重とびしたら、しゃがみ込んじゃいなさい」これで1回できる。あとは、「二重とび1回→前とび→二重とび1回→前とび・・」の練習をさせた上で、連続2回にチャレンジさせる。向山氏は、なわとびの回数を次のようにとらえている。「二重まわしなら、まずは「1回」だけがテーマとなる。次は、「連続2回」がテーマとなる。あとは、(粗く言えば)「それ以上」でいい。
このような活動を組み合わせ楽しみながら力をつける二重跳びリレーはお薦めだ。