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数列・難問(その11)(DL可)

本稿は「等差数列の和」の問題を扱う。授業中の少し空いた時間を利用して生徒の関心を引きつけ、積極的な参加を促す方法として、数学の興味深い問題を取り入れる。実際に出題する際は、教師がクラスの半数の生徒が解けそうだが解けないと判断した時点で提示すると効果的である。

問題

初項 a, 公差 d の等差数列の初項から第 n 項 までの和を S_n とする. \frac{S_{20}}{S_{10}}=6 を満たすとき, \frac{S_{40}}{S_{10}} を求めよ.

解答例

題意の等差数列を \lbrace a_n \rbrace とすると,
\begin{aligned} & \frac{S_{20}}{S_{10}}=\frac{S_{10}+a_{11}+a_{12}+\cdots+a_{20}}{S_{10}} \\ & =\frac{S_{10}+\left(a_1+10 d\right)+\left(a_2+10 d\right)+\cdots+\left(a_{10}+10 d\right)}{S_{10}} \\ & =\frac{2 S_{10}+10 d \times 10}{S_{10}}=2+\frac{100 d}{S_{10}} \end{aligned}
よって, \frac{S_{20}}{S_{10}}=6 のとき \frac{100 d}{S_{10}}=4 であり,
\begin{aligned} & \frac{S_{40}}{S_{10}}=\frac{S_{20}+a_{21}+a_{22}+\cdots+a_{40}}{S_{10}} \\ & =\frac{S_{20}+\left(a_1+20 d\right)+\left(a_2+20 d\right)+\cdots+\left(a_{10}+20 d\right)}{S_{10}} \\ & =\frac{S_{20}+S_{10}+20 d \times 20}{S_{10}}=6+1+4 \times 4=23 \end{aligned}