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あれども見えずを意識した「植物の花のつくり」の授業

ちょっとした発問の工夫やものの準備で子どもたちを熱中させる5年生の「植物の花のつくり」の授業実践例

1 教科書を活用する方法

教科書を別の角度から活用する授業実践を紹介する。5年理科「植物の花のつくり」である。
キーワードは「あれども見えず」である。

指示 . 1

開いたアサガオの花の中を描いて持っていらっしゃい

そう指示して、ノートやワークシートに描かせる。持ってきたら、○をつけてほめる。
さらに、ワークシートに描かせた場合は、子どもたちに持ってきたワークシートを黒板に貼らせる。学級の実態に応じて、黒板に直接描かせるときもある。

発問 . 1

この中で、絶対に違う絵はどれですか?

○ めしべの形が違います。
○ おしべの数が違います。
○ 足りないものがあります。

というように、根拠を言わせながら、絶対違うものを選ぶ。まずおしべ、めしべ、花びら、がくがあるかどうか、次に数に注目し始める。

おしべ5本、めしべ1本が正解である。ここで、おおよその候補がしぼった段階で、残った絵を取っておいて次の指示にうつる。

指示 . 2

つぼみの中のおしべとめしべを描きなさい。

同じように、アサガオの開花前のおしべ、めしべを描かせて、持ってこさせる。同様に討論させる。
 ここでは、おしべが長いのか、めしべが長いのかが正解基準である。
 話し合った後で、

説明 . 1

答えは、みんなの手元にあります。教科書、そして本物のアサガオの花を用意しました。

発問 . 2

最初に話し合ったみんなの絵の最終候補です。どれが正解に近いですか?

ここで、近かった子をほめることができる。

2 ちょっとしたコツで花を拡大

本物を使って教えるにはサイズが小さいと思ったので、模型を作った。材料はすべて百円ショップで購入した。子どもたちは「すごい!」と歓声をあげていた。

布、梱包用のビニール、子どもの対と防止用のビニールクッションを使っておしべ、めしべを作った。
受粉を再現するために、マジックテープに発泡スチロール球につけて柱頭につけた。

3 種ができない品種のアサガオ

緑のカーテンで植えるアサガオは、結実しない品種のものがある。
以前、学校の緑のカーテンのアサガオで実験したが、1つも結実しなかった。担当の先生に聞くと、ノアサガオの「オーシャンブルー」であったとのこと。ノアサガオは、壁面緑化用に品種改良されたもののため、葉が大きく結実しにくい品種である。
 種子は、ノアサガオでなくアサガオを購入することを覚えておきたい。