もっと知りたい、友だちのこと
光村3年生の教材、「もっと知りたい、友だちのこと」の授業プラン。グループ活動だけでなく、全体での活動も加えました。
次の点を工夫した単元の授業プランである。
①モデルの習得場面を設けること。
②例示を多くすること。
③練習量を多くすること。
④グループ活動だけでなく、全体での活動も取り入れること。
■1時間目 課題の設定
教科書を読み、「友達の話を聞いて、さらに聞きたいことを考えて質問する」という学習課題を設定する。
まず、教師がモデルスピーチをする。
得意なこと、好きなこと、飼ったことがある動物のこと、子どもの頃のこと、何でもよい。
先生のお話に、質問します。質問ができる人はいますか。
5~6人、質問を聞きいて、やりとりをする。このやりとりが、他の子への例示となる。
質問には、いろいろな種類があります。
①「いつ・どこで・だれが・何を」をたずねる質問。
②「どのように」をたずねる質問。
③「なぜ(どうして)」をたずねる質問。
教科書にある表を使って、いろいろな種類の質問があることを押さえる。
別のお話をします。質問を考えながら聞きましょう。
別の話でモデルスピーチをする。
次は挙手指名でなく、ノートに書かせる。
手を挙げる子だけでなく、全員の学習を保証するためである。
より多くの子に発表させる。
次に、教科書に載っているお話を読む。
クマノミの話をしている女の子に質問をします。質問ができる人はいますか。
教科書に質問カードの例が載っているので、それを参考にして、質問をさせる。
カードにない質問を考えられた人がいたら、褒める。
次の時間からは、みんなにお話をしてもらって、それに対して質問をする学習をします。
■2時間目 ゴールのイメージをもたせる。
教科書にあるQRコードから、モデルのスピーチや質問を視聴する。
太田さんの話の仕方の、よいところは何ですか。
・話し手の方を見ている。
・はっきりとした声で、聞き取りやすい。
・ややゆっくりと話している。
質問する聞き手の、よいところは何ですか。
・もっと知りたいことを質問している。
・分かりやすい質問をしている。
・話題を広げたり、深めたりしている。
・質問するだけでなく、感想も伝えている。
・他の人の話を、だまって聞いている。
動画を使って、活動のゴールのイメージをもたせる。
みんなにするお話を考えます。どんな話題がありますか。
たくさん例示するとよい。
趣味、好きなこと、得意なこと、習っていること、興味があること、
飼っている動物、育てている植物、楽しかった場所、びっくりしたニュースなど。
最後に、教科書にある例文を何度も音読する。
音読で作文の型を習得できる。
■3時間目 お話を書く。
下書き → 教師のチェック → 清書 → 見ないで言えるように練習
■4~5時間目 活動をする。
めあてを確認して、3~4人のグループで活動する。
もう一度、動画を見せるとよい。
【めあて】
話すとき ・・・ 内容が伝わるようにはっきりと、相手の方を見て話す。
質問するとき ・・・ もっと知りたいと思ったことを質問する。
話の感想、心に残ったことを伝える。
めあては、自己評価させる。
教科書では、質問したいことをカードに書くようにしているが、時間がかかる。
テンポを重視し、グループ活動では、質問を書かせない。
(後で、全体の活動を行うときに、質問を書かせる。)
グループ活動が終わったら、代表児童数名に、みんなの前で話をしてもらう。
(グループで一人、選んでもよい。)
一人の子の話を全員で聞く。
○○さんのお話に質問をします。質問をノートに書きなさい。
ここで、全員に質問を書かせる。
「知りたいと思う質問ができるか」という評価は、ここでとることができる。
教科書は、グループ活動だけで終える指導計画だが、みんなの前で話をさせ、全体指導も行った方がよい。
よい話、よい質問を全員で共有できる。
また、子どもたちも鍛えられる。
指導書の計画では6時間扱いなので、まだ時数に余裕がある。
もう1時間取り、全員がみんなの前で話をする経験をさせる展開も、お勧めである。