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モンスターペアレントへの誠実な対応法

最近大きな問題となっているモンスターペアレント問題。
私たちは誠実にしかも原則をふまえて対応が必要である。 No.5317313 http://kawamasa.cocolog-nifty.com/parent/

原則  誠心誠意つきあおうと思うこと

「誠心誠意」つきあおうと思うことが大切だ。
もちろんできなくていい。
思うだけでいいのだ。
心のどこかに保護者との対決モードが出てきそうなとき
「いけないいけない、誠心誠意」と思うのである。
思うだけで大きなトラブルはまず防げると言っても過言ではないだろう。

モンスターペアレント誠心誠意つきあう方法

1 足しげく通う
2 先手を打つ
3 調べ尽くす
4 全て一端受け入れる
5 丁寧すぎるほど丁寧に

3つの補足

補足1 相手の事情を優先させる。
補足2 プロらしい内容を話す。
補足3 終始笑顔で。決してやめるな

共通するのは、とにかく顔を合わせること。
電話ですませない。
ゆったり対応すること。

1 足しげく通う ・・・ できるだけ直接出会う

A 初動を早く

クラスの担任が決まった私がやったのは次のことである。
問題がはっきりしているので、このような場合はできる限りの準備をすることが大切だ。
 これが1つの危機管理でもあるし、自分自身の精神安定上にもいい。
 もちろん子どもにもいい。

(1)今までの記録全てに目を通す。
(2)子の症状について調べ尽くす。
(3)保護者に出会う旨を書いた手紙を書く。

大切なのは順番と早さである。
 子どもと出会ったその日に保護者へ手紙を出すのが一番いい。
 この子どもの場合は、大変重い問題を持っており、一歩間違えると命の危険もある。
 保護者としては心配なのだ。
 その子どもが担任一日目から手紙をもらって帰ってくるとどうだろう。
 「この先生は心配してくれてるんだ」と嬉しくなるのではなかろうか。
 命に関わることなのだから言わば当然のことである。
 なぜ今までやってこなかったのだろうと不思議に思う。

B 「出会うときは、相手の事情を優先させる」

これは大変だと思うが、当然のことでもある。
 複数の日程を出してもらうといい。

2 先手を打つ

「先手をうつ」とは、例えば次のようなことだ。

1 あらかじめわかっている行事などで、何かある保護者とは相談しておく。
2 ちょっとでも何かあったら、すぐに連絡する。
3 ちょっとでもひっかかったら、すぐに連絡する。
4 出来る限りの準備をして保護者と話す。
5 ちょっと先になるんですが・・・と次々話を詰めていく。

よく考えてほしい。自分の子が何かあったら、学校のやること全てに敏感になるのではないだろうか。
 だからこそ、先手先手を打って、こちらから様々なことを話していくのである。

(1)わかっている行事などへの対応
 私の場合、始業式当日に保護者と出会う約束を取り付けた。
 そして実際に出会う場面では次の準備をしていくことになる。
 プライバシーのこともあるので、紹介はできないが、準備はわずか1週間足らず。
 その中で出来る限りの準備をして望む。

文章化し、調べ尽くし、持って行くことが大切だ。
 間違っても叱られてもいい。一年間は長い。
 子どもの命がかかっているのである。
 きちんと始めの段階で、できるだけ具体的に、様々な場面を想定して、書いていくことである。
 1人の子どもの命を預かる教師としての最低限度の準備であろう。

(2)ちょっとでも引っかかったら連絡する、対処する 
 面白い?もので、このような保護者の子どもに限って
 「えっ、何でこんなことになるの???」というようなことが起こりやすい。
 言い方を変えると、だからこそ、保護者が神経質になるのである。

3 調べ尽くす

(1)調べ尽くすのは授業だけではない
  ①まずは調べ尽くす。それが礼儀
  ②親の会のホームページを見ておく

親は二十四時間子どもと一緒なのだ。
 その一日の記録から、生まれてから今までの記録など、本当大変だということがわかる。
 向山先生が出生のときの話を聞くのが大切とよく言うが、まさにその通りである。

(2)調べ尽くしたからこそ共感できる

4 一端全て受け入れる

大切なのは一端ということである。
大切なのは全て受け入れるということである。
企業の苦情係は「はい、はい」と数回繰り返し「とはおっしゃいますが」とはさみ、
更に相手の苦情を引き出すという技術を使っている。

私たち教師がこのような技術ばかり使うのはどうかとも思うが、
たまには必要である。 
理不尽なことも多い。
しかし一端は全て受け入れるのである。

5 丁寧すぎるほど丁寧に

この年は何回も何回もこの保護者の家に通った。
いつも玄関先であった。
私の方が「玄関先でいいですからね」とずっと言っていたからだ。
しかし「どうしても上がってください」と途中言われたのであがったときの保護者の一言。
 「手で靴をそろえたのは、先生が初めてです。」
驚いた。
保護者は結構細かなことを見ているものである。大切にしたい。

他の場合も同じである。怪我をしたときの対処、連絡ミスの対応。心得ておきたい。