促音の授業
1年生ひらがな指導「促音の授業」の実践記録。
ねこの絵を黒板に描く。
「何ですか?」
「ねこ!」と元気よく返ってくる。【ねこ】と黒板に書く。
次に木の根っこの絵を黒板に描く。
「何ですか?」
「ねっこです!」と帰ってくる。【ねこ】と黒板に書く。
子どもたちから、違う違うとの声が上がる。
どうすればよいのか聞いたら、小さい「っ」を付けたらよいとアドバイスをしてくれる。
子どもたちのアドバイス通り、小さな「っ」を付ける。
【ねこっ】
またまた、子どもたちから違うとの声が上がる。
小さな「っ」は、「ね」の前に付けると。
子どもたちのアドバイスに従って、次のように書く。
【っねこ】
子どもたちはかなり興奮状態になる。
「ね」と「こ」の間に書くのだと言う。
教師は、にこにこしながら、書く。
【ねつこ】
ブーイングが起きる。小さな「っ」になっていないと。
今度は、全部小さく【ねつこ】と書く。
「先生、【ね】と【こ】は大きく!」
ようやく【ねっこ】になる。
次に、手を叩いて「ねっこ」と言わせる。
何回手を叩いたのかを尋ねる。
子どもたちの意見は、次のように分かれた。
2回…22名 3回…4名
しばらく子どもたちに考えさせた後に、話を進める。
「分解して考えます。」
「【ね】だと何回叩きますか。」 →「1回。」
「【ねっ】だと何回叩きますか。」
「これは、2回です。つまっているところも1回叩きます。」
「では、【ねっこ】だと何回叩きますか。 →「3回!」
つまる音【促音】は、声を出さないが、1回叩くことを押さえる。
(つまる音に「つっ君」と名前を付けた。)
正解したのは、4人。
子どもたちに、次のように話した。
「今回は、4人の人が合っていました。
このように、勉強というのは、人数が多い方が合っているとは、限りません。
今回のように、人数が少ない方が合っていることもあるのです。
これは、勉強をしていく上で、とっても大切なことだよ。」
1年生は、友だちが手を挙げていると、つられやすい。
学問の場に、多数決はなじまない。そのことも、子どもたちに伝えていく。
正直に白状すると、わたしも1年生を担任するまでは、
「ネッ」「コ」というように、一つの長い音節「ネッ」と、一つの短い音節「コ」の組み合わせで、2回叩くものだと思っていた。
しかし、調べてみると日本語の音として捉えるのならば、3音節が正しい。
促音「ッ」、長音「ー」、撥音「ン」を拍として数えるのが、日本語の音の特徴なのである。
その後、他の言葉でも試し、ノートに書かせる。
・「きて」→「きって」
・「こぷ」→「こっぷ」
・「らこ」→「らっこ」
・「まくら」→「まっくら」
・「せけん」→「せっけん」
・「ろけと」→「ろけっと」
「ろけっと」は、「ろっけと」の間違いがあった。
手を叩きながら音を確認する学習を今後も継続して、促音に対する意識を高めていく。