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ものの重さ比べは視覚情報を制限して行う

ものの重さ比較器を使って、「同じ体積でもものによって重さが違う」ことを体感させる授業。視覚情報を制限することでよりハッキリと重さの違いを感じることができる。

見えないように封筒に入れて体感で比べると、子どもは思考を始める。

人間の脳は視覚と手のために多くの部分を使っている。だから、視覚を制限すると手の感覚に意識が集中する。「見せない」「隠す」という教材提示の効果である。      
 ものの重さを感覚的に比較するには視覚情報を制限するとよい。

1 ものの重さ比較実験器は、隠して使うと効果倍増

「ものの重さをくらべよう」の単元で使われる実験用具がものの重さ比較器である。
(下図)

この用具を次のように「隠して」活用すると、子どもたちの興味関心を高めることができる。また、見えないからこそ、さまざまな思考活動が誘発される。

小学3年生には理論的に理解させようと思わずに、十分に体感させて「気づかせる」ほうが知的な学習ができる。
 そこで、ものの重さ比較実験器の6つのピースを封筒に入れてしまうことにする。

次頁の図のように、準備をする。
 ① ものの重さ比較実験器の6つのピースをそれぞれ、封筒に入れる。
 ② 余った分は折り返して、ホチキスで止める。
※ 折り返してホチキスでとめるのは、なるべく操作しやすい形にするためである。 
 ③ 鉄は2番、木は5番などと、重さの順とは関係なくランダムに封筒に番号を書く。

こうするのは、番号の順で、重さの順番を推定できないようにするためである。
 その方が、子どもの関心を惹きつけるように思う。
※ どのグループに渡すものも「鉄は2番」と決めておくが、高等戦術として、1グループだけ「鉄は3番」などと意図的に番号を変えておく方法もある。

2 子どもたちに「中身は何が入っているか」考えさせる

まず、中に入っているのは何かを説明する。ひとつひとつ見せながら名前を教える。
 木・鉄・アルミニウム・ゴム・重いプラスチック(灰色)・軽いブラスチック(白)
 次に、ルールとして、封筒を破ってはいけないことを教える。
 その上で、封筒に入れた重さ比較実験器を、ひとつずつグループに渡す。

発問 . 1

発問 いま、わたしたのは六つのうちどれでしょう。
    手で持って、重さで予想しなさい。

グループごとに、「○番は鉄」と黒板に予想を書かせる。
 次の重さ比較実験器を渡す

発問 . 2

発問 いま、わたしたのは六つのうちどれでしょう。前のものと比べてもいいで
   すから、手で持って、重さで予想しなさい。

前のモノの予想を変えてもいいです。

このようにして6つの重さ比較実験器が、それぞれ何であるか予想させた上で、封筒を破ってもいいことを告げる。

子どもたち早く開けたくてたまらないので我先に封筒を破る。あちこちで歓声が上がる。

念のため、最初に渡すのは「木」にして、「鉄」は最後に渡すと、鉄の重さを十分に体感することができる。