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暦のお話

なぜ1年が365日なのか。なぜ大の月と小の月があるのか。なぜ4年に1回閏年があるのか。なぜ1900年は閏年ではないのか。なぜ2000年は閏年なのか。…などについての語りです。2006年7月26日,法則化みすまる例会で模擬授業をしました。

発問 . 1

1年は何日ですか。

365日ですね。
365日とは,地球の公転周期です。

ひと月とは,月の満ち欠けする周期です。
新月から新月まで。
何日でしょう。

これは29.5日です。

1年を12ヶ月とすると,29.5×12=354 となり,11日足りません。

そこで,奇数月を31日,偶数月を30日とします。
すると 31×6+30×6=366 となり,1日多くなります。

そこで,(大昔は2月が1年の最後の月だったので)2月だけ29日にしたのです。

ところが,初代ローマ皇帝アウグストゥスが

「なんでわしの誕生日がある8月が30日なんじゃい。31日にせえや。」

と,わがままなことを言ったのですね。
しかし,8月を31日にすると,7月・8月・9月と,31日の月が3ヶ月続いてしまいます。
そこで,9月を30日に,10月を31日に,11月を30日に,12月を31日にしてしまいました。

しかし,これだと,合計が366日になってしまいます。
皇帝アウグストゥスは言いました。

「そんなもん,最後の2月で調整したらええがな。」

というわけで,2月は28日になってしまいました。

結局合計365日になってるんやからええやろ,というわけです。

日本では,明治5年までは,太陰太陽暦を使っていました。

大の月を30日,小の月を29日として,交互に配置し,1年354日としていたのです。
が,これでは年に11日不足しますから,3年たつと 11×3=33 約1か月の不足が生まれます。

そこで,3年に1回,閏月というのを作っていました。
閏7月などといって,7月のあとにもう1回7月がある,というふうにして調整していたのです。
実際には,閏月を3年に1回作るのは多過ぎるので,19年に7回なんですが。

ところで,地球の公転周期を正確に言うと365日じゃなくて365と1/4日なのです。
4年たつと,1日余分が生まれてしまうのです。そこで,4年に1回閏年を設けて,2月を29日にしているのです。

ところが,地球の公転周期をもっと正確に言うと365と1/4日じゃなくて,365.26日なのです。
0.26×100=26 となり,閏年による余分な日は100年で25回あればいいのに1回多くなってしまいます。
そこで,4で割り切れる年(たとえば1996年)は閏年とするけれど,100で割り切れる年(たとえば1900年)は閏年とはしないということになっているのです。

ところが,地球の公転周期をもっともっと正確に言うと365.26日じゃなくて,365.25636…日なのです。
これ以上言ってもややこしいので,省略しますが,こういうルールになっています。

西暦年が4で割り切れる年は閏年とする。
西暦年が4で割り切れる年のうち、100で割り切れる年は閏年としない。
西暦年が4で割り切れ、100でも割り切れる年のうち、400で割り切れる年は閏年とする。