「口」をつかった慣用句の授業
向山実践の追試。「口」を使った慣用句を書き出し、仲間分けしていく。第7回静岡大集合の会での模擬授業後の修正プラン。4年生対象プラン。(TOSS静岡ML推薦) No.1114238 http://www4.ocn.ne.jp/~namiko/kannyouku.htm
原実践:向山洋一先生 修正追試:斎藤奈美子先生
コンテンツ作成:福原正教

第三期向山洋一全集「33巻新卒教師の授業上達論 Ⅰめざせ!黒帯六条件 4演習・新卒教師の技量をはかる(p31~32)」より。
慣用句を勉強した時のことである。わたしは「口」を使った慣用句、例文をいくつか言わせた。そして、ノートをいっぱい書くことを指示した。10の文が書けたら見せにくるように言った。みんな楽しそうに書いている。はじめに持ってきた横田さんの文を書き、次々に持ってくる子の中からいくつかを追加した。
①口が悪い②わる口④口びるをかむ⑤口があれている⑥口々に言う⑦口答えする⑧口びるが厚い⑨がま口⑩入口(出口)⑪みどりの窓口⑫口がさける⑬口がまがる⑭口が早い⑮口が軽い(重い)⑯から口(甘口)⑰早口ことば⑱口がものをいう⑲口べた⑳切り口21口がへらない22無口な向山先生23口を閉じる24口がかたい25口をはさむ26口出しをする27改札口28口車にのる
さて私は、この中から「口びる」を消した。そして、残りを「二つか三つの仲間に分けなさい」とグループごとの話し合いを支持した。活発な話し合いがあった。
二つに分けるという意見が多かった。「A‥口をさす B‥口以外のものをさす」である。この基準で全体を分けていった。⑯のから口と、28の口車は、意見が分かれた。しかし、残りは全員一致であった。
「これでいいのですね、これは、口をさすのですね。」と聞くと「そうだ」と言う。
そこで私は聞いた。「口がかたいとあります。では、かたい口を見せてください」「口が重いとあります。重い口を見せてください」中にやっている子もいたが「できない」と多くの子は言った。ここでチャイムであった。
向山洋一教育実践原理原則研究会長崎支部の冊子「第23回長崎向山塾(2002.12)」の中で、伴一孝氏は、次のように述べている。
「慣用句」の授業、2頁の短い記述だが,まさに宝箱だ。上記の部分(最初の2行【注:齋藤】)だけでも、授業のコツが五つ述べられている(これが見えるのがプロ。見えないのがアマだ)。同時に、上の記述だけでは見えてこない疑問が二つある。」
そこで、授業のコツ五つとして、私は次を挙げる。
①まず、子どもに言わせる。→イメージのわかない子、思いつかない子にとっての手助けとなる。一つも書けない子は、いなくなる。
②「ノートに」「いっぱい」書くことを指示。→まず、自分の考え・意見を「ノートに書く」という行為を保障する。また、「量」を書くことを指示。
③10の文を書けたら見せにくる。→10という適度なハードルを設け挑戦意欲を湧かせる。ノートを見せにこさせ一人一人チェックする。
④はじめに持ってきた横田さんの文を書く→子どもの意見を黒板に書かせる。黒板を子どもに開放する。
⑤次々に持ってくる子の中からいくつかを追加した。→必要に応じて、板書を補充している。
疑問二つとしては、次を挙げる。
①教師の発問・指示
②子ども達をどのように、評価していったのか。
これらをふまえた上で、10分間の授業を組み立てる。
「口」を使った慣用句や例文には、何がありますか。
(列指名) ・口をきく ・口が悪い ・口を閉じる ・母はぼくの事を「口から生まれた。」と言う。 ・駅の東口に迎えに来た。
ノートを開きます。日付を書きます。縦書きだから、漢字ですね。漢字で書いてない人、直しておきます。
「口」を使った慣用句や例文をノートにできるだけたくさん書きます。
まず、①‥⑩までノートに番号を打ちなさい。(黒板で指示)
⑩までいった人は、先生の所へノートを持ってきなさい。
一番早く持ってきた子には黒板に書かせる。持ってきた子には、○をつけていく。必要に応じて、追加して黒板に書かせる。
二つか三つの仲間に分けます。グループで相談しなさい。
全員起立。相談がまとまったら座りなさい。
どのように仲間分けをしますか。
・口を使った熟語になっているものと、そうでないもの。
・本来の口の意味のものと、そうでないもの。
A「口」を差す、B「口」以外を差すという基準で二つに分けます。
列指名。一つ一つABどちらか確かめていく。「これでいいか」と全体に問う。
<例>A ⑤口があれている
B ①口が悪い②わる口‥
例えば、「口がかたい」。「かたい口」をやってごらんなさい。「口がカチンコチンにかたい人」ではなく*秘密を守ってしゃべらない人」と意味です。
「口が重い」。「重い口」をやってごらんなさい。「口の重さが大きい」frはなく「口数が少ないこと」ですね。
だから、「口がかたい」「口が重い」は、AではなくBです。
「口」以外にも、体の部分を使った慣用句はたくさんあります。
調べてみると、おもしろいですね。