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「あかねこ計算スキル」で最も我流になりやすい所はここだ!

『あかねこ計算スキル」は、答え合わせ以降の「後半の指導」で本当の実力がつく。しかし、後半の指導は「我流」に陥りやすい。向山洋一氏の指導を再現しながら、「我流脱出」のための7つのチェックポイントを紹介する。法則化サークル祭りばやし推薦。 No.1124026 http://www1.ocn.ne.jp/~shigeo/AKANEKO-1.htm

「○つけまでが前半で、本当の実力をつけるのは、後半です。」

(C)Two-Way/ 授業/向山型算数/小学校/全学年/算数/向山型算数実力急増講座
  『あかねこ計算スキル』で、
 最も我流になりやすい所はここだ!
     我流脱出のためのチェックポイント
   『向山型算数教え方教室』副編集長 木村重夫のページ
◆「向山型算数セミナーin熊本」で、向山洋一氏は『あかねこ計算スキル』の正しい使い方を
 演示された。その中で特に強調された点がある。

とくに「後半」の扱い方で「我流」に陥り易いと言われる。そこで、『あかねこ計算スキル』の
指導手順と、「我流」になりやすい所を紹介する。

説明 . 1

◆『あかねこ計算スキル』指導の手順
1 システムの説明
  チェックポイント(1)どのコースを選んでも100点にかわりはない。と教師が心から思っているか。
              クラスの中で2問コースを選ぶ子がいるか。
①ページを指定。
②コース選択システム(使い初めのころの説明)
「1番から10番まで問題があります。やる時間は○分○○秒。
 ゆっくり確実にやりたい人は1番と2番だけをやりなさい。1問が50点、2つできれば
 100点です。
 もう少し速くやりたいなあという人は1番から5番までやりなさい。1問20点、全部できれば
 100点です。
 もっとスピードがある、大丈夫だという人は1番から10番までやりなさい。その時は1問が
 10点。10問できれば100点です。 
 2問コースでも、5問コースでも、10問コースでも、100点に変わりはありません。
 どれも同じ100点です。かけっこだって水泳だって速い子もいれば遅い子もいる。
 でもあの人が すぐれているということはありません。ちゃんとできればいいんです。」

チェックポイント(2)「早く終わった人問題」は最初はやらせないようにしているか。
③「早く終わった人」問題の扱い
 「早く終わった人問題」がありますが、それには手をつけないでおきなさい。早く終わった人は見直し
 をしておきなさい。
④選択状況の把握
 「ちょっと聞いてみるかな。2問コースをやりたい人、手を挙げてごらんなさい。
  5問コースをやりたい人?10問コースをやりたい人?」

2 集中が力を生む(長々と繰り返すよりも、集中した短い時間こそが実力をつける。)
①初めの指示
②書き方の指示 必要に応じて。「ミニ定規を使うんですよ。」
②時間の経過を伝える。 「1分経過。残り1分30秒です。」「2分経過。残り30秒です。」
③終わりの指示

3 答え合わせ(「10番から」「ハイテンポ」で答えを読む。「子どもの集中力」を持続させるため。)
   チェックポイント(3)コース別に答えを読む速さを微妙に変えているか。
①教師が10番から答えを読みあげ、子どもが○をつける。
②「10番○○、9番○○、8番○○、7番○○、6番○○」読み方は、間があかないくらい速く。
   (相手は10問コースに挑戦する子なので、速くてもついてくる。集中する。)
③「5問コースの人、お待ちどうさま。」ややゆっくりと読む。
④「2問コースの人、お待ちどうさま。」遅れ気味の子を意識してゆっくりと読む。
⑤点数確認。「100点取った人、手を挙げてごらんなさい。」

4 2度目の集中(向山氏「実力をつけるのはここから先の半分です。」)
①残り時間があと3分間くらいあります。残った問題をやりなさい。2問コースの人、5問コースの人は
 残った問題。全部終わって○をつけた人(10問コース)の人は「早く終わった問題」をやりなさい。
②今度はテストじゃありません。鉛筆の先から煙が出るくらい、猛烈なスピードでやってごらんなさい。
  用意、スタート!(2度目の緊張が訪れる)
③早く終わった子への対応
 「先生できました。」と3~4人が終わった段階で指示する。「終わった人は自分で答えを見て○を
  つけなさい。」
④③と同時に「遅れ気味の子1人2人」は答えを見ながらやらせる。
 「勉強をやってて難しいなと思った人は、その人も答えを参考にしてやりなさい。」
 (答え合わせのために解答を見る早い子と、できないので解答を写す子が同時に生まれてよい。)
  チェックポイント(4)やりのこし問題を猛スピードでやらせているか。
  チェックポイント(5)早く終わった子と一番遅い子が同時に答えを見ている状態があるか。
⑤答え合わせも終わった子への対応
  「答え合わせも終わった子は、あかねこシールを貼りなさい。」

5 全員をストップさせる。(授業の終わりをそろえる)
①「まだ計算途中の人もいるかもしれませんが、その人もやめなさい。全員、答え合わせをします。」
  この段階で教室には、あかねこシールを貼る子たちと答え合わせをする子たちしかいない。
  チェックポイント(6)全員を途中でも止めさせ、答え合わせ・あかねこシールを貼る状態にさせたか。
  
6 授業終了の30秒位前に終わるのが芸術。
①終了30秒前の指示。「終わった人から休み時間です。」

7 子どもが家で残り問題をやる気になる指導(授業の原点「ほめる」)
①授業終了時点で、何問かやり残した問題がある。それを子どもがすすんで家でやってくる
 ようになるのは、教師の指導にかかっている。教師が必ず取り上げ、驚き、褒め続けること。

「赤石くん、家でやってきたの見せてごらん。?ほら、みんな見て。えらいねえ、赤石君。
 先生がすごい褒めてたとおうちの人に言いなさい。」「木村くんもやってきたの、えらいなあ。」
 翌日。「今日やってきた人手をあげてごらん。(7~8人)すごいなあ。先生びっくりしちゃった。
 こんなにすばらしいクラス、初めて持った。」
  チェックポイント(7)家でやってきた子を必ず取り上げ、驚き、褒めているか。

② ただし、家でやって来ない子がいてももちろんかまわない。教師は追い詰めたり叱ったりする
 必要はまったくない。学期末に時間を調整して「やり残しがある人はやってごらんなさい。
 全部終わった人は本を読んでいていいですよ。」などという1~2時間を設ければよい。

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