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4年電池のはたらき「回路を作る」(大日本図書)

「回路」を自由に作らせて、二人組で実験をさせる。これは面白い。【TOSS長崎ML推薦】 No.1132215 http://www.fsinet.or.jp/~m-zen/rika/4nen/4nen-1213-20030514.htm

「回路を作る」 電池のはたらき(大日本図書)

問題を出す。予想させる、発表させる、実験して見せる。
 これで1時間授業した後、次の1時間は「回路」を自由に作らせて、二人組で実験をさせる。
 これは面白い。

5月14日(水)3・4校時

ノートの左側にを4つに区切らせた。
4つの問題を次の流れで出していった。

1 問題を板書する。
 2 予想をノートに書かせる。
 3 立って発表させる。
 4 人数分布を確認する。
 5 実験をして見せる。

発表のあとで、討論に入るのであれば入る。
 これを問題ごとに繰り返す。

出典は『教え方のプロ・向山洋一全集 56 向山型理科研究授業奮戦記・4年「乾電池と豆電球」』(明治図書)

つく   14人
    つかない  8人

「つく」と考えた子は次のようにノートに書いていた。

「-からも+からもどうせんが通って、豆電球につながってるから!!」

その他。

「+と-がついているから。」
「マイナスとプラスにさえついていれば豆電球はつくと思います。」
 「プラスとマイナスから電気が流れているから。」
 「全部が一つの輪にならないとだめ。」

「つかない」と言う子は、「輪」になっていないと言っていた。3年生の時に習ったのである。

指名無し発表で、次々に発表させた後、教師実験でやって見せ、決着を着けた。

次である。

発問 . 1

AはBと同じくらいの明るさなのか、くらいのか、つかないのか。

という問題である。

同じ     3人
くらい   16人
つかない   3人

「くらい」という子のノートである。

「電池の半分電気をつかうから」

その他。

「2こだから半分ずつ」
 「電池一つに豆電球二つじゃ」
 「Aは豆電球が2こあるからつかないと思いました。」
 「2つつけても電池をたくさんつかって、電池がなくなるのが速くなるだけ。」
 「Aはくらいんだと思います。2つまめでんきゅうが2つついてあって、同じ数づずつ電池がないとくらいと思います。」

非常に興味深い部分である。

一つの時と同じ明るさで光らせるために、乾電池が倍の電気を流すのか、あるいは、
 流す電気が一定で二つの豆電球を光らせなければならないのか。

この点については、考えれば考えるほど分からなくなる。すでに、4年生の子どもの認識の中に、この二通りの考え方が存在しているのである。
これは、直列か並列かで事情が違ってくるのである。乾電池が2個になった場合についても同様である。
 
 教師実験をして見せた。
 この場合、豆電球によって光り方が違ってくるので注意を要する。
 一方だけが光って、一方は光らないこともある。

このような問題は、教科書にないので、いろいろ考えたり発表をしながら頭の中を耕すのに適している。
 次の問題である。

同じ       4人
 くらい    17人
 つかない   1人

「くらい」と書いた子のノートである。

「どうせんを4本つけると、でんちの中のでんきがとられるから!!」

その他、
 「くらいわけは豆電球が二つあるからくらいと思います。それに、電池も一つだからです。」
 「2こだから半分」
 「さっきのAのやつを一つずつにしたからBよりくらいと思います。」
 「さっきもついたし、一つだけにしたし豆電球が下になっただけだから。」
「2つにわかれていて、どっちともにながれるから、つかない。」
 「さっきといっしょでくらいんだと思います。」

つなぎ方が違うだけで明るさが違うとは考えていない。直列と並列(名前はまだ子どもは知らない)で、電気の流れ方が違うとは考えていないのである。

これについて、前の問題の豆電球を下に持ってきただけだと言う子がいたが、前の問題は回路が一つ、これは二つである。
 これに気づいていなかった。
 また、実際に実験してみると、前の問題のような直列つなぎのように暗くは無いが、わずかに暗くなる。したがって、「わずかに暗くなるが、ほとんど同じ」というような選択肢を入れた方が良かった。

問題の最後である。

発問 . 2

直列につながった豆電球の一方をゆるめると、もう一方はつくかどうか。

という問題である。

つく   7人
つかない 多い

以上のような結果になった。

「つかないと思います。ゆるめたら電気が通らないと思います。」
 「豆電球は2こだけど、ゆるめてるから1この輪になる。」
 「ゆるめても、ゆるめてない方はゆるんでないから、きついほうには+のいりょくは通と思います。」
 「ゆるめても、+の電気がソケットを通って、ゆるめていないほうがつくと思います。」
 「理由は、ソケットのどこか鉄みたいなところは電気をトウしてつくと思います。」

これも、「回路が切れている」という論理と「一方から威力が来ている」という論理に分かれることになる。

向山洋一氏の実践の中から選んだ物である。
 大切なのは、予想が当たったかはずれたかではなく、どのように考えたかである。
 そして、発表ができたのかどうかということである。
 だから、指名無し発表をさせた後、

指示 . 1

今、発表ができた人手を挙げてごらんなさい。
     ノートの端っこに、花丸を小さく上品に書いておきなさい。
     がんばったということです。

と言う。すると、「よし、次は発表するぞ」とがんばるのである。
 たった一つの小さな花丸だが、この指示をするのとしないのではまったく違う結果になる。
 自分で書く小さな花丸は自分のがんばりを、かたちにして見ることができる「自己評価」なのである。

また、次のように話すと納得して聞いている。

説明 . 1

間違っていいのです。
     間違う人が学校に来ているのです。
     間違わない人は家で勉強していればいいのです。
     間違わない人は学校に来なくて構いません。

一つ一つ、「回路」「電流」というキーワードを教える。
 子どもたちは「輪」というような言葉を使っていた。これを「回路」という用語に変える。
 これで1時間。

もう一時間は、回路を作らせ、板書させ、発表させる。
 結果は回路を考えた子に報告させる。
 「ショート」や「電流の通り道」という観点で教師の説明を加えて解答する。
  この回路作りは非常に面白かったようである。

回路ができているように見えるが、-極につながっていない。

一つは回路になっているが、もう一つは、+にしかつながっていない。

これはいちばん難しかった。
つないだ部分を移動していくとわかりやすい。
左の方は+にしかつながっていないが、右の方は+と-につながっている。だからつく。

これは回路が二つ。
豆電球の並列つなぎである。
授業で一斉にやったつなぎ方と同じである。

これはショートしているのでつかない。

子どもの感想である。

わたしは、今日、いろいろなつなぎかたでつくかつかないかをしらべてみて、とってもおもしろかったです。それでもっとしたかったけど早くおわっていやでした。私はその実験ができたらしてみたいと思いました。今日は私たちが考えた問題に間違う人がいて、とてもうれしかったです。私は、他の人の問題でほとんどあっていてうれしかったです。

今日、電気の勉強をして、いろいろわかったなぁと思いました。いろいろなことをして豆電球がつくかつかないのかと、私はどきどきしながらしていました。
 豆電球であそんでとってもすごくおもしろかったです。
 豆電球がつくかつかないかためしているところです。 
 今日は、とってもおもしろかった。

先生が実験しています。どんなふうになるのかなぁ。ぼくは、お家に帰ったら、調べてみたいと思って、豆電球などもって帰って実験してわかったら先生に言ってみんなに話してみたいです。
 いろいろ難しい問題や、超簡単な物があって、すごく楽しかったです。問題の中では、超難しくてぜんぜん分からなくて今、調べてつくかどうか。