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短歌

短歌の授業

君がため春の野にいでて若菜つむわが衣手に雪はふりつつ  光孝天皇
田子の浦にうちいでて見れば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ 山部赤人

発問 . 1

季節はいつですか。

春の野(春)
雪は降りつつ(冬)

発問 . 2

二つの句に共通する言葉が出ています。何ですか。

雪は降りつつ

発問 . 3

2首を比較して寒く感じるのはどちらですか。

光孝天皇の歌。衣手に雪は降りつつとあるから,今正に雪が降っている。

発問 . 4

山部赤人の歌を2回読んだら座りなさい。一言,感想をノートに書きなさい。

発問 . 5

田子の浦とは,現在で言えば静岡県です。どの辺りだと思いますか。地図に印を付けなさい。(WEBで示す)

発問 . 6

富士を違う漢字で書きなさい。

万葉集では「不二山」「不士能高嶺」「布二能嶺」・布士・布自、「不死」(不老長寿)「不二」(二つとない)・常陸国風土記には、「福慈」

発問 . 7

この歌の様子を,絵に描きなさい。

各自書いて,説明する。

発問 . 8

雪は降っていますか。降っていませんか。

「雪は降りつつ」と書いているから、降っている。

発問 . 9

降っている雪は見えているのか,見えていないか。

多分見えていない。
さらに、遠くにある雪をかぶり雪雲に峯が隠れている富士山の様子から、雪が降っていると想像しているのである。

これが田子の浦です。富士山がよく見えます。そして,田子の浦と富士山の様子です。とっても近く感じますね。これは,江戸時代末期に撮影された田子の浦です。松並木が残っていて綺麗です。田子の浦の絵です。これは,葛飾北斎の浮世絵で田子の浦付近からの富士山なのです。松並木が遮っていて,富士山が田子の浦に出たときに視界が開けて,ぱっと富士山が目に飛び込んできたのではないでしょうか。ところで,山部赤人の本当の歌は,こうです。  田子の浦ゆうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける