モデルを通して、小腸のしくみを考えさせる
わかりにくい概念こそ、モデルを通して理解させる。小腸のしくみをモデルで考えさせる。小腸の柔毛があることで効率的に栄養を吸収するしくみを理解させ、キーワードを使って説明させる。

ヒトは生きるために毎日ごはんを食べます。
食べることで、エネルギーをとっています。
例えば、おにぎりを食べることを考えます。
元気になる秘密は、ごはんつぶに隠されています。
ご飯粒にヨウ素液をかけました。どうなりますか。何の栄養素があると考えられますか。
「青紫色に変わる」「デンプンです」
デンプンは口の中のだ液に含まれる「アミラーゼ」で、糖に分解されます。
モデルで示します。
消化酵素アミラーゼがデンプンを分解する様子
ハサミ:消化酵素、:糖の分子がたくさんつながってデンプン分子


ループエンド(黄色:100均で購入)がつながっている状態⇒『デンプン』の分子
はさみ⇒消化酵素「アミラーゼ」
ループエンドがバラバラの状態⇒『糖』の分子
『デンプン』などの栄養分を、吸収する臓器はどこですか?
① 口 ② 胃 ③ 小腸 ④ 大腸 ⑤ その他
「その小腸が栄養を吸収するしくみを考えていきましょう。」
映像・教科書などで小腸のしくみを知る。
その後、モデルで示す。
小腸は、分解された栄養は吸収されます。
分解されない大きい分子は、小腸では吸収されません。
小腸の表面に「ひだ」みたいなものがあります。
柔毛といいます。この柔毛にも栄養が吸収されていきます。
【モデル】もしも柔毛が見えたなら ルーペレベル拡大ver

【モデル】もしも柔毛が見えたなら 顕微鏡レベル拡大ver

どちらの方がヒトにとってよいですか?(比較させる)
「栄養分」という言葉を使って、理由もノートに書きなさい。
柔毛があるほうが、栄養分をたくさん吸収することができる。
柔毛があるのと、ないのでは、何が違いますか。
「表面積」という言葉を使って、ノートに書きなさい。
柔毛があるほうが、「表面積」が大きくなる。
小腸の柔毛があることは、どのような点で都合がよいですか。
「表面積」「栄養分」という言葉を使って、ノートにまとめなさい。
柔毛があることで、栄養を吸収する「表面積」が大きくなり、「栄養分」をたくさん吸収することができる。
年をとると、食べることに変化が生じます。
とくに高齢になると変化が生じます場合があります。
食べても食べても、体重が増えないのです。
だんだん痩せていきます。「老衰」といいます。
なぜでしょう。
この現象を、最新の研究では、小腸のしくみで説明できることができます。
小腸の柔毛が変化します。
柔毛の( )が□□なる。
どのような変化をするでしょう。
映像・モデルなどで紹介。
※2015年テレビ放送「NHKスペシャル 老衰死」を参考
http://www.nhk.or.jp/special/rousui/
柔毛の( 長さ )が( 短く )なる。⇒老化で柔毛の先端の細胞が破壊されていく。
老衰のしくみを、柔毛の変化に注目してまとめます。
老化で柔毛の 長さ が( 短く )なることで、どのような変化を生じますか。
「表面積」「栄養分」という言葉を使って、ノートにまとめなさい。
老化で柔毛の 長さ が( 短く )なることで、「表面積」が小さくなり、「栄養分」を吸収する量が減ってしまう。
だから、食べても栄養が充分取れず、痩せてしまう。
ヒトの体の仕組みは、たくさんの工夫からできています。無駄なものはありません。
それらのしくみをしっかり勉強することが、健康に過ごせるためのヒントを得られるかもしれません。
これからも、そのような神秘の体のつくりを学んでいきましょう。