どの子も褒められる鑑賞の方法
子どもたち同士がプリントに鑑賞のコメントを書き合うことで、たくさんの子どもたちから褒められ、それが蓄積されることになります。たくさんの褒め言葉が書かれたプリントに子ども達は大満足します。言語活動を意識した鑑賞指導です。

本実践は、平面作品の鑑賞でも実践可能だが、立体作品の鑑賞の方が適している。
準備物 A4の紙(プリントの形式でもよい)、図工の作品
自分の作品を机の上におきなさい。
ここからの部分は、プリントで作った方が授業がスムーズになる。
もちろん、ただの白紙でやっても可能である。
白紙の場合、板書で例示しながらの方がよい。
プリントを配ります。
左上に自分の名前を書きなさい。
その下に、「工夫したところ」と書き、作品で工夫したところを書きなさい。
「工夫した」がわからなかったり、ない、という子もいる。
「作るのが難しかったところ」、「苦労したところ」、「こだわったところ」、「作るのに時間がかかったところ」などでもよい。
工夫したところを赤で囲みなさい。
今から、鑑賞をします。
やり方を説明します。
~くんの作品を鑑賞する、とします。
~くんの作品のいいところ、上手なところ。言えるひと?
子ども達に次々に言わせる。
「手がうまい」などのように抽象的な発言に対しては、「どう、うまいの?」と切り返して具体的にする。
具体的に言えている子に対しては、「具体的に言えている」などのように褒める。
これらを全体の前でやることで、「コメントの仕方」が子どもに入っていく。
今みたいに、その人の作品にコメントしていきます。
コメントは具体的な方がいいです。
コメントは「さっきみんなが名前を書いた紙」に書きます。
コメントの後には、自分の名前を書きます。
説明が長くなるので、黒板に例示して、残しておく。
一度、お隣とやってみます。
隣どうしでやらせて、やり方の確認をする。
次は、この教室の中、誰のものを見ても、誰のものにコメントしてもかまいません。
時間は20分です。
やっていると、書かれたコメントの少ない子が出てくる。
そのような子のものに書いている子を見つけ褒めたり、
「この作品はすごいなあ、この工夫を見つけられないのかあ」と子どもをあおったりして、
どの子の作品にも多くのコメントが書かれている状態にする。
教師がコメントを書くのもいい。
席に座ります。
自分のものに書かれているコメントを静かに読みます。
たくさんの人からコメントがあるってことは、みんなの工夫やがんばりがよかったってことだ。
最後にコメントを読んでの感想を書きなさい。
この実践のよさは、
①たくさん褒められること
②クラスの仲間に認められること
③書くことにより、言葉が目に見える形になること
④書くことで、どんなコメントをしたらいいのかわからない子にも例示になること
である。