タッチタイピング指導法
3年生からできるタッチタイピング指導法。画像もあってわかりやすく具体的に指導できるようにしています。八和田清秀氏の修正追試(TOSS福岡推薦) No.2120071

タッチタイピング指導法①~1番にしなければならないことはホームポジション~
キーボードのどこに,どの指を置くのかが決まっています。そのことをホームポジションと言います。タッチタイピングのまず最初は,そのホームポジションを覚えさせることです。その際の指示は,
先生の話をよく「聞く(きく)」をあけてから指を置きなさい。そこには何かポッチのようなものがあるでしょう。それが,ホームポジションの印です。
そこから順々に指を置きます。右手小指が「ち」左手小指が「れ」を触るようになったら成功です。つぎに親指です。その際の指示は,
親指は一番下の何も書いていないキーに両方とも軽く置きなさい。(このキーをスペースキーと言います)
まずはこのホームポジションにすぐ指を置くようにできることが練習の第1歩です。このときに,人差し指から小指までは軽く曲げておくのがポイントです。
どの指でどのキーを打つのかはすでに決まっています。ではどの指でどのキーを打つのでしょう?
原則として,一番近い指がキーを打ちます。
その際,キーの場所を覚えるのではなく,指の動きで打ち込み方を覚えます。
「○のキーはここにあるから,こうやって打つ」のではなくて,「この指でこのキーを打つと,○という文字が入る」という認識で練習に取り組ませます。このようにすれば少なくとも最初のうちはアルファベットも,ローマ字も覚えずして打ち込むことができるのです。
ホームポジション指導の最後に大事なことを・・・・・
打った後は必ずホームポジションに指を戻すこと・・・です。

タッチタイピング指導法②~ホームポジションができたら次は母音を打つこと~
指示の言葉は,
指をホームポジションに置いて,画面を見なさい。キーボードは見ません。次に,左手の小指をそのまま押してごらんなさい。・・・・・「あ」が出ましたか?
画面には「あ」が出てくるはずです。間違っても,「今からあを書きます」などとは言ってはいけません。このせりふを教師が言うと必ず「3」という数字が画面に出てきます。
キーボードに「あ」と書いてあるからです。キーボードを見るな,と言っても「あ」を書きますと言えば,「あ」を探して早く打ちたくなるのが人情です。
出てくる文字は青い文字で出てきます。漢字などへの変換が,まだ確定していないことを示しています。
変換をしたいときにはスペースキーを,そのまま確定したいときには右の方にある「Enter」キーを押します。
あああああああと押して御覧なさい。(ある程度押したら確定させる)次に右手中指で少し上のキーを押しなさい。・・・・・「い」が出ましたか?
画面には「い」が出るはずです。出ない場合はホームポジションがまだできていないことが考えられます。「い」を押した後も必ずホームポジションに戻すように癖をつけさせましょう。
「あ」「い」ができるようになったら,「あい」と押させましょう。あいあいあいあいあいでもよいし,「あい 愛 合い」と押させてもよいでしょう。後者は変換を指導してください。
このとき,間違ったら右上にある,「Back Space」キーを押すことも指導します。鉛筆と違って簡単に書き直しができるのがパソコンのよいところです。

以上のように,「あ」「い」「う」「え」「お」までを確実にしつこく,何度も指導してください。
定着させるにはいくつか方法があります。
①言葉つくりをさせる。
例:愛,家,上,青など・・・
②早打ち競争
例:1分間に「あいうえお」を何回打てるか?
最初はそのままどんどん打ち続けてもよいが,上級編は,改行しながら打っていく。
(そうすると,5文字ずつすぐに数えられてよい)
この1分間早打ちは,最初のころは毎回授業の最後などに取り入れていくと,自分の伸びもわかり,子供達の上達も早いです。
注意して欲しいのはキーボードを出来るだけ見せないで画面を見させることです。
タッチタイピング指導法③~母音がほぼマスターできたら空白と変換~
上記のほぼというのが大事です。全員が完全マスターするまで,ひたすら「あいうえお」だけでは,子供も飽きてしまいます。完全主義は捨てましょう。
「あいうえお」を7割~8割ほどマスターしたら,スペースキーを使って,漢字に変換したり,空白を作ったりしてみましょう。
まず,スペースキーを何回か打ちましょう。カーソルが右にずれていき,空白ができます。空白の作り方をこれで指導します。
次に,「あい」と打ってスペースキーを打つと「愛」というような漢字に変換されます。
(違う場合もあります)もう一度スペースキーを打つと,別の漢字に変換され,さらに変換候補の一覧が出ます。
このようにして,母音だけを使って,変換を指導していくのです。
カードか,白板に次ページの漢字を一つずつ,またはいくつかまとめて,大きく書いて,「この字に変換してごらん。誰が早く変換できるかな?」などとやってもおもしろいかもしれません。
あい・・・・会い,合い,愛,藍,逢い,相
うえ・・・・上,植え,飢え
いえ・・・・言え,家,
えい・・・・栄,英,映
おい・・・・追い,甥,負い
おおい・・・多い,大井
とにかく母音になれること。
母音は,日本語タイプ時には50パーセント近く触るキーですから,母音をマスターすれば,タイピングの半分をマスターしたも同然なのです。
では,次からはいよいよ「か行」「さ行」などの指導をしていきますが,母音がほぼマスターしていれば,あとはそう難しくありません。
例えば,「さ行」であれば,左手薬指を押してから,「あ」をタッチすれば,「さ」ですし,左手薬指を押してから「い」をタッチすれば,「し」になります。
指示の言葉は,
左手薬指を押して「あ」を押してごらん。「さ」が出ましたか。
いつも,ホームポジションに手が置いてあることが前提です。タッチタイピングを指導するためには,ホームポジションは命です。最初にしっかり指導しましょう。
50音を全部指導した後は・・・・
清音50音を全てマスターしたら,あとは,文章をどんどん打たせていきましょう。国語の教科書など,何でもよいのです。すると,「小さいつはどうするの?」「がはどうするの?」と聞いてきます。そのつど教えてあげればよいのです。最初に覚えた子供たちがどんどん増えてきて,最初の数人がすぐに子先生になってくれます。