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「母子密着」が子どもを救う!

「母子密着」が子どもを救う!
   『今、赤ちゃんが危ない-母子密着育児の崩壊-』
                       近代文芸社 田口恒夫著
を読んでの書評 原著者:古瀬村雅子

「ヘンな子どもが増えている。」-この書き出しで始まるこの書は、田口恒夫氏の書かれたものである
田口氏は、お茶の水女子大学の名誉教授で、障害児教育に長年携わってきた方である。

コミュニケーション力をつけるのは、生後1年が勝負だという。母子が密着した昔の育児法は、昔もいた
「ヘンな子ども」を救ってきたというのである。

第1章の1は「もしこのまま進めば、人は環境破壊や放射能より、これで亡びるおそれがある」という文で
締めくくられている。

第1章の5「密着育児を疎かにすると社会が崩壊するわけ」には次のようなことが書いてある。

泣く→抱く→泣き止む、ぐずる→さする、ぐずる→抱き上げる→機嫌が直る、といった母子交互作用(レシプロケーション)と呼ばれる母子の「やりとり」が繰り返される。そのやりとりを通じて、親密な母子愛着関係が形成される。
 ・・・(中略)・・・母子交互作用が起こらないと、母子密着関係の絆が育たない。
 そうして、親は情の薄い「母性」の希薄な母親になり、子どものほうは心の冷たい、不安緊張レベルの高い、異常行動を示す、付き合いにくい、対人適応の悪い人柄になる。
                              (P25)

さらに、第2章の23では「学級崩壊、登校拒否」とし、次のように述べられている。

子どもは変わってきている。最近時とともに確かに変化してきている。
 唐突に聞こえるかもしれないが、私には、母子密着育児の崩壊家庭とぴったり並行して、子どもの性格や行動がかなり急速に変化し、それが学級崩壊や登校拒否というかたちで、表面に現れているのだ、という気がしてならない。(p108・109)

見開き2ページで書かれたこの書は読みやすく、お勧めである。