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学級文庫に加えよう。子どもの作品をハードカバーの本にする方法

製本の一方法である。子どもの作品をハードカバーの本に仕立てる方法を紹介。きれいな絵柄の紙と、厚紙と、ボンドがあれば誰でもできる方法である。(TOSS福島ML推薦) No.2310208 http://happyman7300.sakura.ne.jp/sub6.htm
※原実践:安斎幸男 コンテンツ作成:中野幸恵

下の写真をご覧いただきたい。
これらはすべて手作りで制作した本である。
内容は、子どもたちの作文と絵である。
世界にひとつしかないハードカバーの本ができる。
本にしてもらって、子どもたちは大喜び。
掲示板に張るのと違って、自分の席で手にとって、じっくり読んだり見たりできる。
この方法は、大島小学校での同僚の小泉氏から伝授された。   
基本的には、古来の「粘葉(でっちょう)」という手法。
特別な道具は不要。
きれいな絵柄の紙と、厚紙と、ボンドがあれば誰でもできる方法である。

手順1

基本的に、画用紙がこの製本に適している。
絵本用の用紙を常備しておくと便利。私は、九つ切り画用紙の半分サイズを使っている。
絵を描くスペースの形や広さの違う物を用意すれば、子どもたちに用紙を選ぶ楽しみがある。

手順2

「粘葉(でっちょう)」という方法を簡略化した工程。
1 記入面を内側に、二つ折りにして重ねる。(強く折り目をつけるのがコツ)
2 とびらとなる用紙も2枚用意して、写真のように絵柄が見えるように折る。
3 折り目をきっちりそろえて、そこに木工用ボンドをたっぷり乗せる。
4 指でまんべんなく伸ばす。   
※とびら用紙は、カレンダー・包装紙などをリサイクル。

手順3

ボンドを固着させるために、読み終わったような紙などを再利用し、ボンド面に付けて写真のように包み込むようにする。
このあとすぐに、重石をしたり本棚の本の間に挟んでおいたりしておくときれいにつく。 
次の工程・手順4は、完全に乾いてから。

手順4

乾いたら、手順3でつけた紙を取る。(手で、むしり取る程度でよい。)

手順5

各用紙の裏面どうしをのり付けする。
スティック糊など、水分の少ないのりを使うのがコツ。
(水分が多いでんぷん糊や合成糊は、ふやけてワカメ状になる。)

手順6

ここから表紙を作る工程。
カレンダーや包装紙など、きれいな柄の紙。
それをハードカバーとして仕上げるための厚紙を用意。
(箱のふた、いらなくなったファイルなど、とにかく厚紙をリユース)

手順7

厚紙をおもて表紙・背表紙・うら表紙の大きさに切る。
大きさは、画像では伝えにくいので、自分の本棚にあるハードカバーの本を参考にする。
(例えば、辞書、事典、向山先生の「学校の失敗」などなど)

手順8

手順6のきれいな柄の紙の裏側に、厚紙を写真のように張る。
背表紙の両側は、4ミリぐらいすき間を作る。
やはり、スティック糊があすすめ。

手順9

手順6の紙で、角の部分を切り取る。
背表紙の近くは、写真のように切れ目を入れる。
あとで、本の形に折り曲げるときの「あそび」になる。

手順10

はみ出ている部分をすべて折り曲げて、糊付けする。

手順11

おもて表紙・うら表紙で、背表紙のそばに両面テープを貼る。
やらなくてもいい工程だが、こうすると丈夫になる。
(背表紙の部分は、糊もテープもいらない)
これを大量に作っておくというアイデアもある。
ある先生は、カレンダーをいくつも集めて、子どもの人数分を作っていた。

手順12

両面テープをはがし、手順11と手順5でできた物を張り合わせる。
両面テープだけではめくれてしまうので、糊付けする。

手順13

テープライターで、本の題名、作者名(○○小学校□年△組)を作る。
おもて表紙、背表紙、とびらに張る。
うら表紙の裏には、「奥付」を付ける。安斎は、ワープロで作っている。
 
例:安斎学級文庫 第○○巻
    「本 の タ イ ト ル」
      発行日:200*年**月**日
      著 者:##小学校$年¥組
      発行者:安斎幸男
      製 本:安斎幸男
      価 格:世界に1冊しかないのでつけられない

完成  本棚に加えよう。

上達の秘訣
1.がんばって10冊作ること
2.ハードカバーの本の作りを参考にすること

留意点
1.行事単位で作るときは、学級人数ぶん作ること。担任を離れるとき、1人1冊ずつプレゼントできるので。
2.子ども1人ひとりに作る方法もある。その場合、表紙を人数ぶん作りおきすること。
  ※年度末に全員ぶんを一度に製本するのは無理。そこで、
   a 手順10のものをたくさん作る。、
   b 手順7・8のところで背表紙を付けないで、背表紙ぶんあけておく。
   c 手順12のところで、うら表紙側を張らない。
   d 1枚書いたら、その都度、最後のページに張り合わせる。
   e 年度末、うら表紙側を張って仕上げる。

3.冊数を増やす工夫をすること。
   ・絵本用紙を大量に刷っておく
   ・何でもできごとをきっかけに、書かせるようにする。例えば、運動会、交通教室、鑑賞教室、 
    長期休業の後、生活科で公園に行ったこと、遠足、持久走大会、家でのお手伝い…

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