ここは教師が教えなきゃ?たねの中のでんぷんを調べる?
インゲンマメの種に養分が入っているのか入ってないかの実験をします。先生が黒板に書きますから、この通りしないと、うまくいかないかもしれませんから、よく見ててくださいね。 No.1133012 http://www.fsinet.or.jp/~m-zen/rinkrika/5nen/kokoha.htm
5年・理科植物の成長(1)発芽と養分~
ここは教師が教えなきゃ
~たねの中のでんぷんを調べる~
2006年9月17日更新 TOSS長崎 善能寺 正美
「どのような実験をしたらよいですか?」と聞いても,教科書を見ないかぎり知ることができない.
そこで,次のように指導をした.
種を配りますので,インゲンマメの種に養分が入っているのか入ってないかの実験をしますよ.
先生が黒板に書きますから,このとおりしないと,うまくいかないかもしれませんから,よく見ててね.
柔らかくしたインゲンマメの種があります. それをナイフでジョキ・ジョキと切ります. いくつにも切っていいです. そんなに薄く切らなくてもいいです.
切断面を作らなければ,ヨウ素反応は観察しにくいからである.
これを子どもに気づかせながら授業をするるのは至難の業である。
次,この種を,このシャーレの中にポロポロポロッと入れます.
シャーレという名前も教える.そして,一度教えたら,「先生,あれ貸してくださ い.あのまるいの」等と言ってきても「シャーレ」という言葉を使わないかぎり貸 さないようにする.
実験器具の名称は繰り返し使わなければ覚えない。
このシャーレの中に,インゲンマメのたねを切ったのが入っていますから.
その中に,このヨウ素液というのを入れます.
家でも実験できるようにイソジンガーグルのことも教えておく.
ヨウ素液のかわりに,イソジンガーグルといううがい薬が,家に一本あるかもしれません. これでもいいですので,今日実験をしてみて,「家でもやってみようかな」と思う人は,これでやればできます.
さらに,ヨウ素液でどのような変化が起こるかについても教えておく必要がある.
これを知らないと何を実験しているのかがわからなくなる。
それに,保存のしかたも大切である.
でんぷんがあれば,だいたい,青紫色になります. ヨウ素液というのは,こういう茶色い瓶に入れて保存するわけです. どうしてかというと,日光が当たったら,中味が変わってしまうからなのです.
適度な色についても教える意外に方法はない.
中味は,透明じゃなくて,ウーロン茶の色にも似ているし,紅茶のような色をしているわけですね.
でんぷんが青紫色になることも教える.
この色が付くんじゃなくて,でんぷんが青紫色になります.この「でんぷん」というのが養分なんです. ですから,もし,養分になるでんぷんがあれば,つまり,種の中に養分があると言うんだったら,青紫色になるし,なければ,青紫色にはなりません.
このような説明をした後に,子どもに実験をさせる.
【板書】
切ったインゲンマメをシャーレに入れ,ヨウ素液をたらす.
入れたら,よく観察して,その様子をスケッチしますよ.
ヨウ素液で黒くなる?
「先生,黒になってきたんだけど」
と,言ってくる子どもが出てくる.
そこで,説明をする.
それはね,青紫なんです.
「えー!」
子どもは,納得しない.
よく見てごらん.黒じゃないでしょ?
「黒よ」
黒はこれ(シャープペンシルの芯).これと比べてごらん.
「黒たい」
まだ,黒と言っている.
え? よく見てごらん.ほら.
しかし,
「黒」
「黒だよ絶対」
と,納得しない.
黒?
すると,やっと,他の班の男子が,
「黒くなっとらんぞ!」
と言ってくる.
これは,濃いと,こうなるのです.
「黒じゃない.黒じゃないね,先生」
と,多数の子どもに認知されていく.
よく見たら,黒じゃないはずですよ.
そうは言っても,かなり黒に近いことはたしかである.
ノートにもでんぷんが?
そうこうしているうちに,ノートの上にヨウ素液をたらして,
「先生,ノートにつけたら,紫になったよ.」
と言ってくる子が必ずいる.
ノートには,でんぷんが含まれているのです. 紙を作る時に,糊が入っているのです.
「先生,ジャガイモにたらしたら,なると?」
なる.
「じゃあ,でんぷんだけなら?」
なりますよ.
「イモにもある?」
ある.お米にもある.パンにもある.
なお,「・いたずら科学実験室~科学音痴にも楽しめる~・栗田常雄 講談社」
によると,名刺のような厚手の白い紙は,デンプンを比較的多量に含んでいると
いうことである.「書く人によって色の変わるインキ」というタイトルのいたずらは,
赤インキに希ヨードチンキを混ぜて秘密のインクを作るわけであるが,新聞紙や
薄手の雑誌では色が赤になり,官製はがきや名刺や大学ノートではデンプンの
量が多いので汚い色に書けてしまうというものである.