漢字とカタカナ
カタカナと漢字の関係を知ることで、漢字にさらに興味を持つことができる授業です。
(TOSS大阪みおつくし推薦) No.2975957 http://www.toss-mio.com/okakura/kanjikatakana.html

「台」と板書。
読みましょう。
全員に「ダイ」と読ませる。
この中にカタカナがあります。何でしょうか。
挙手させて指名。答えは「ム」と「ロ」である。
このように、カタカナだけを使ってできる漢字を、できるだけたくさんノートに書きなさい。
ここで時間をとる。「3つ書けたら1年生、4つ書けたら2年生…」とあおる。
(時間は実施する学年にもよるが、3分~5分が適当。)
書けた子に数を聞いていき、1番多く書けた子に板書させる。
その後、「これに3つ足せる人?」と聞いていく。
カタカナだけでできる漢字には次のようなものがある。
カタカナ1つ…口・工・夕・千・卜・二・力・八
カタカナ2つ…云・化・加・回・外・久・穴・公・功・江・左・右・仁・占・双・多・汐・名・仏・兄・元・今・舌・竹・刈・只 など
カタカナ3つ…沿・花・会・完・含・況・空・芸・宏・谷・佐・治・若・祝・伝・品・呂 など
カタカナ4つ…洛・宮・容・侵など
カタカナだけでもいろんな漢字ができますね。では、漢字とカタカナの関係は次のどちらでしょう。
1.カタカナから漢字ができた。
2.漢字からカタカナができた。
答えは2です。このように、漢字の一部分から、カタカナができたのです。
カタカナの元になった漢字の一覧を提示する。全部いっぺんに見せるより、漢字を提示して「この漢字からできたカタカナは?」と発問してみるのもよい。
では、ひらがなとカタカナはどちらが先にできたのでしょうか。
1.ひらがなが先にできた。
2.カタカナが先にできた。
3.どちらも同じ。
ここは1か3に多く手が挙がり、2は少ないと思われる。サークルの模擬授業でやったときもそうであった。
正解は2である。逆転現象が仕組める発問である。
カタカナが先にできたと言われています。今から1200年前にできました。
ひらがなは1100年前。100年ほどカタカナの方が早いのです。
現在、普通カタカナで書くことばをできるだけたくさんノートに書きなさい。
これはあまり時間をとる必要はない。30秒から1分程度。
列指名で一つずつ答えさせる。
カタカナはどんなことばの時に使われるのですか。今の発表を聞いて、自分の考えを書きなさい。
近くの人と相談させてもよい。書かせた後、発表させる。
多くは次の3つの場合である。
1.外来語を書くとき
2.外国の地名や人名を書くとき
3.擬音語を書くとき
他にも、略語を書くときや植物・動物(虫)などの名前を書くときにも使う。
では、1000年前も今と同じような使い方をしていたのでしょうか。
ここは簡単な討論をさせても面白い。
正解は告げず、次の発問を出す。
1000年前、ひらがなは主に貴族の女の人が使っていました。ではカタカナはどんな人が使っていたでしょうか。
1.貴族の男の人や僧侶
2.町人
3.あるだけで、実は使われていなかった。
挙手で確認する。正解は1。
昔、カタカナは中国の文、漢文を日本語で読むときの送り仮名や振り仮名に使われました。主に貴族たちが学問をするときに使っていたのです。昔の人は、お勉強のときにカタカナを使っていたのですね。
(漢文に振り仮名をつけたものの画像など、資料をいくつか提示する。)
お勉強のときはカタカナを使う習慣は、その後もずっと続きました。昭和のはじめ、今から60年くらい前までは、教科書も「漢字」と「カタカナ」だったのですよ。
(昭和初期の教科書の画像を提示する。)
☆「カタカナで漢字を作る」部分は江口儀彦氏の実践を参考にしました。