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年度末の音楽授業は、ミニコンサートで!

音楽専科だからできる実践がある。学年末は子供たちから担任への感謝の気持ちを伝えるミニコンサートをする。専科と担任との関係もよくなり、子供と担任との関係もよくなる。

年度末の授業納めは、担任を招待したミニコンサートで!~音楽専科だから演出できる学級経営の演出~

年度末の授業納めは、子供たちから担任への感謝の気持ちを伝えるミニコンサートをする。
普通の学級なら、子供たちは喜んでこの企画に応じる。
荒れている学級でも、荒れを弱めるきっかけにできたこともある。
終わりよければ、全てよし。学級担任が子供たちとの絆を再確認してもらえれば、次年度からの授業もグッとやりやすくなる。
また、学級がよくなると音楽の授業がしやすくなる。その上、担任からも感謝される。
次年度から、よいことばかりである。

しかし、そのために、何時間も準備して授業を潰す訳にはいかない。
1年間の学習のまとめとして、あくまでも、最後の45分間の中で、練習も、本番もこなしてしまうのである。
次の2つの条件を満たす方法を紹介する。

1.練習も含めてその時間に即席でできる
2.すべて今まで習った曲を使用する

Ⅰ ミニコンサートの準備(25)

1.ミニコンサートをする告知をする

子供たちが、いつものように音楽室へやってきたら、すぐに、次のように話す。

発問 . 1

今日は、1年間最後の音楽の授業です。
だからね、今日は、1年間お世話になった担任の先生に「ありがとうのコンサート」をやろうと思うんだけど、どう?

あくまでも、子供たちの気持ちが大事なので、尋ねる形がよい。
「やし、やろう!」という気持ちを焚き付けるのである。
必要なら、担任がいかにみんなのために、努力してきたのか、同僚ならではのエピソードを語ってやるといい。

2.担任の先生にお手紙を書く(5分)

用紙を用意しておき、配布する。
 短時間で書かせるので、たくさん書かなくてもよい用紙を使う。

3.リハーサル(15分)

その日に練習して、その日に本番をするのだから、司会原稿は、専科で作っておく。
こういうケースでは、司会をする子も、こちらで指名してしまって構わない。
司会原稿を全員に配布し、実際に読ませてやってみながら動きについて説明する。
説明した後、簡単にリハーサルをする。
演奏する曲目は、1年間ずっと練習してきて愛唱歌にしてきた曲だから、そんなに練習をしなくても構わないはずだ。
主に、動きを入れるところや、司会が入るタイミングなどに絞って練習する。

4.担任を呼びに行く(5分)

事前に、主役の担任が出張などでないことは確認しておく。
子供たちに、普段、担任は、職員室にいるのか、教室にいるのかはよく知っている。
そして、次の様に指示する。

指示 . 1

さて、いよいよ本番です。
これから、○○先生(担任)を呼びにいきます。

□□くん、○○先生に、
「先生、大変です!!△△先生(音楽専科)が、緊急で、すぐに音楽室に来てって、慌てて呼んでいました!」
って言って呼んでくるんだよ。

他のみんなは、○○先生が音楽室に入ってきたらすぐに、大きな拍手をするんだよ。
では、□□くん、よろしく!!

この時、呼びに行かせるのは、担任が1年間、少々手をやいたやんちゃな子を指名するとよい。
子供たちは、こういうサプライズ企画が大好きである。
異様な緊張感を自分達でつくりだして、いじらしく担任を待っていることが多い。

5.本番(20分)

以下、当日、ある3年生で配布した司会原稿を紹介しながら、本番の様子を紹介する。

①担任の先生を呼びにいく

代表で2名、「先生、大変なことが起きたので、音楽室へ急いで来てください!」と言って呼びに行く。
先生が入ってきたら、みんなで拍手して迎える。

②リコーダー演奏「エーデルワイス」

先生がイスに座ったのを確認して、演奏を始める。

③司会

○○先生、いつも、ぼくたちの担任をしていただいて、本当に有難う御座います。
(全員:有難う御座います!)
今日は、毎日、なかなか伝えられない「ありがとうの心」を伝えるために、ぼくたちの大好きな曲を先生にプレゼントします。
お聞き下さい。

④歌「南風にのって」(今月の歌だった)

歌い終わったら、すぐ「ビリーブ」の前奏が始まる。

⑤歌「ビリーブ」

間奏で、一人一人担任の所へ行き、握手し、ポケットに入れておいた手紙を渡す。
「いつも有難う御座います!」と言う。
そのまま先生を取り囲んで2番を歌う。
2番を歌い終えて、後奏になったら、司会が次の言葉を言う。

⑥司会

○○先生。これからも、先生にいろいろと心配をかけることがあると思いますが、これからも、よろしくお願いします。
(全員:よろしくお願いします)

4.担任の先生の言葉

子供が手紙を渡した後、担任の先生から言葉をかけてもらう。
大抵、涙ぐんだり声をつまらせたりして、話をしてくれる。
こういう時の話は、子供たちの心を育てるのによい効果となる。

5.音楽専科の言葉

最後は、普段担任の先生が子どもたちのためにがんばっていることを話し、さらに気分を盛り上げて終わりにする。
この後は、担任の先生先導で、子供たちを教室に帰してしまってよい。

【授業の効果】

このようなミニコンサートを行うと、担任との人間関係もよくなる。
次年度からの音楽の授業もしやすくなったり、音楽科から、担任に協力も仰ぎやすくなる。
また、日頃の音楽授業の成果を聞いてもらう絶好のチャンスにもなるのである。