ごんぎつね(5) 主題を検討する
奥田隆氏のHP「分析批評実践事例集4年生 ごんぎつね 修正プラン」の修正追試です。主な修正点は、表に「ごんの行動・気持ち」と「兵十の行動・言葉」を書き入れる際、「指示1」「指示2」のように、1つずつ確認しながら記入させていった点と、主題を書かせる際に
書き出しの言葉を「人間…」と指定した点、そして、字数を「35字以内」と指定した点です。
No.1114197 http://www.infoaomori.ne.jp/~maekawa/gon-gitsune/gon.html

*ノートに上・中・下3段の表を作らせる。
*上の段には「事件の番号」、中の段には「ごんの行動・気持ち」、下の段には「兵十の行動・言葉」と記入させる。
「事件1」でごんは何をしたのですか? 15字以内で表の中に書きなさい。
*≪事件1≫の要約文をもとにして、ごんの行動を記入させる。
*書けた子に挙手で発表させて板書する。(下記参照。)
ごんが兵十のうなぎを持っていったことに対して、兵十は何と言いましたか?
教科書からさがして、表の中に写しなさい。
*書けた子に挙手で発表させて板書する。(下記参照。)
*以下、「指示1」「指示2」と同様にして、≪事件6≫まで「ごんの行動・気持ち」と「兵十の行動・言葉」を記入させる。
事件 ごんの行動・気持ち 兵十の言葉・行動
1 兵十のうなぎを持っていった。 「うわあ、ぬすとぎつねめ。」
2 自分のいたずらを後かいした。 (兵十は知らない)
3 つぐないにぬすんだいわしを投げ込んだ。 「いったい、だれが、…ひどい目にあわされた。」
4 つぐないにくりと松たけを持ってきた。 (兵十は知らない)
5 つまらないなと思った。 「おっかあが死んでからは、…毎日毎日くれるんだよ。」(…神様のしわざだぞ。)「えっ。」「そうかなあ。」「うん。」
6 つぐないにくりを持ってきた。 いたずらをしにきたな。ごんを火なわじゅうでうった。「ごん、おまいだったのか、くりをくれたのは。」
6 うなずいた。 火なわじゅうをばたりと取り落とした。
*表が完成したら、「モチーフ(中心概念)」を押さえるために次の発問をする。
このお話で何度も何度もくり返されているのは、ごんと兵十のどんな関係ですか?
「(何)が(どうした)こと。」と20字以内でノートに書いたら、見せに来なさい。
*書けた子のノートに丸をつけ、板書させる。
*書けない子には、板書の中でよいと思ったものを写すよう指示する。
*書けない子が多い場合は、以下のように発問して全員で「モチーフ(中心概念)」を押さえていく。
≪事件1≫でごんはうなぎを盗もうと思ったわけでないことは、兵十に伝わりましたか?
≪事件2≫でごんが自分のいたずらを後かいしたことは、兵十に伝わりましたか?
≪事件3≫≪事件4≫≪事件6≫でごんのつぐないの気持ちは兵十に伝わりましたか?
*「モチーフ(中心概念)」は「ごんの気持ちが兵十に伝わらないこと」であることを確認する。
物語では、事件を通して一つの考えを言っています。その考えのことを「主題」と言います。
例えば、「ワシントンと桜の木」のお話で言いたかったことは何ですか?
例えば、イソップの「羊飼いの少年」のお話で言いたかったことは何ですか?
例えば、「大きなかぶ」のお話で言いたかったことは何ですか?
*挙手させて発表させ、それぞれ、「悪いことをしたら正直に謝る。」「うそをついてはいけない。」「みんなで力を合わせることが大切だ。」というようなことであることを確認する。
このお話では、「ごんの気持ちが兵十に伝わらない」ということを通して、何を言いたかったのだと思いますか?
「人間…。」という書き出しで35字以内でノートに書きなさい。
*授業者は、「人間にとって相手に気持ちが伝わらないことほどかなしいことはない。(32字)」という主題を考えた。