豊かで多様な環境に触れさせる
北海道大学医学部教授の澤口俊之氏は『幼児教育と脳』(文春文庫)の中で「豊かな環境」「多様な環境」が必要だという。知性を育てるには、豊かな環境や多様な環境に触れさせることである。(法則化千葉弥生会推薦) No.4300015 http://www.chiba-fjb.ac.jp/masao_n/sub/yutaka.html

楽しく知的な授業づくりをする条件は、知的好奇心のある教材づくりを行うことである。
竹内均氏は『人生を最高に生きる法』(三笠書房)の中で頭をよくする決め手は「知的好奇心」であると述べている。
子供は知的好奇心によって新しい経験を積み、刺激を受け成長していく。
それでは、知的好奇心を伸ばすにはどうしたらよいのであろうか。
北海道大学医学部教授の澤口俊之氏は『幼児教育と脳』(文春文庫)の中で「豊かな環境」「多様な環境」が必要だと述べている。知的な授業を作るためには、豊かな環境や多様な環境に触れさせる教材づくりをしていくことである。
1.豊かな環境に触れさせる教材づくり
澤口氏は豊かな環境として、「良質の音楽や絵画、楽器、遊び道具、多様な本」をあげている。
3年生の体育で回旋リレーを行った。従来の回旋リレーでは、障害物の置く位置は決められていた。
それを「障害物を置く位置はチームの作戦です。どこに障害物を置いたらよいかチームで作戦を立てなさい」という教材づくりを行った。
障害物は3個である。置き方によって勝敗が変わる。この学習は、子供の知的好奇心を刺激した。
3年生の子供は熱中し、授業は盛り上がった。ただ走ればよいのではなく、考えなければ勝てないのである。
豊かな環境を与えることによって知的な授業になった。
子供の知的好奇心を引き出し、子供が自主的に活動していく環境を教材として与えていくことが大切なのである。
2.多様な環境に触れさせる教材づくり
澤口氏は多様な環境として、「野外に積極的に連れ出し、昆虫や植物などの生き物、森林や川、海等々に積極的に触れさせる」ことだ述べている。
体験学習の重要性が言われている。それは言葉を変えて言えば、知的好奇心のある多様な環境に触れさせることである。
2年生の生活科の授業で動物園に出かけた。子供に一番人気のあったのは、「ふれあい広場」である。
ふれあい広場には、うさぎ、ひよこ、はつかねずみ、ちゃぼがいた。自由に抱いたり触ったりしてもよい。子供は自分の好きな動物コーナーに行って遊んだ。
両手を合わせた上にはつかねずみをのせている。男の子供は頭の上にちゃぼをのせている。
女の子供はうさぎを抱いてメロンを食べさせている。柔らかなうさぎの感触が気にいったのか、楽しそうに遊んでいた。
普段、触れあうことの出来ない動物と遊ぶことによって、知的好奇心が満たされたのである。
知的な授業づくりによって子供の学習意欲が育てられた。